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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! 藤井智弘×ハイエンドコンパクトデジタルカメラ

写真・文:藤井智弘/編集:合同会社PCT

現行ハイエンドコンデジの特徴を総ざらい!

いま、コンパクトデジタルカメラの人気がすごいそうです。それぞれに特徴があり価格帯の幅も広いコンパクトデジタルカメラを、今回は高価格帯モデルに焦点を当ててご紹介します。ときにメイン、ときにサブ機にもなるコンデジ。ぜひ気になるモデルを見つけて撮影を楽しんでください。

藤井智弘(ふじい・ともひろ)
東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年に写真展を開催後、写真家になる。カメラ専門誌、WEBでの撮影や執筆、各種撮影や写真講師等で活動。作品では、国内や海外の街を撮影している。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。
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はじめに

「いつも持ち歩けるカメラが欲しい。でも画質や機能にもこだわりたい」と思っている人は多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが高級コンデジ。コンパクトデジタルながらミラーレスやデジタル一眼レフに負けない性能を持ち、しかも気軽に使えるのがメリット。ここでは性能も個性も光る5機種を厳選してご紹介します。

ソニーRX100M7

上着のポケットに入るほど小型ながら、コンパクトデジタルカメラとしては大きな1.0型センサーを搭載したソニーRX100シリーズの七代目。高倍率24〜200mm相当のツァイス バリオ・ゾナーT*レンズを搭載し、本格的な広角域から望遠域まで、高い描写力の写真が楽しめます。

撮像素子は2100万画素のメモリー一体1.0型積層型CMOSセンサー。歴代RXシリーズの中で最速を実現し、最速20コマ/秒の高速連写も可能です。しかも複雑な動きをする被写体にも高精度で追従します。さらにタッチトラッキング機能により、被写体にタッチするだけで自動追尾も可能。コンパクトデジタルながら、乗り物や動物など動体に強いのが特徴です。

また本体には、ポップアップ式のEVFも搭載しています。EVFは特に望遠撮影の際にとても便利。カメラを安定して構えることができ、スムーズな撮影を可能にします。必要なければ収納できてとてもスマート。RX100M7の魅力のひとつと言えるでしょう。

RX100M7は画質も優秀です。高倍率ズームレンズながらズーム全域で解像力の高い画質が得られ、ハイライトからシャドーまでの階調再現も優れています。とても手のひらサイズのコンデジとは思えないほど高画質が楽しめます。

さらにRX100M7では、画素加算のない全画素読み出しによる4K動画に対応。動画撮影でもリアルタイムトラッキングが可能なので、動体の動画撮影も得意です。しかも外付けマイク端子を装備している点も見逃せません。写真も動画も高い性能を持ち、携帯性にも優れているので、デイリーユースから本格的な撮影まで対応します。

ソニー RX100M7・絞りF4・1/320秒・ISO125・WBオート
高倍率ズームレンズを搭載しているので、狙った構図にすぐ対応できます。しかも小型なので機動力も抜群。AFも高速で快適な撮影が可能です。

キヤノンPowerShot V1

動画機能をメインにしながらも、写真性能にもこだわったコンパクトデジタルカメラ。撮像素子には、1.0型センサーより面積が約2倍の1.4型センサーを搭載。とても珍しい大きさの撮像素子です。画素数は2230万画素(動画撮影時は1870万画素)。撮像素子が大きいので、暗所や高感度でも優れた画質が得られます。常用ISO感度も高く、写真撮影時はISO32000、動画撮影時はISO12800を実現しました。これは1.0型センサーを持つPowerShot G7 X Mark IIIの最高ISO感度よりも2段分に相当します。

レンズは16〜50mm相当(動画撮影時は17〜52mm相当)の広角域を重視したズームレンズ。明るさはF2.8-4.5なので、絞りを開放にして被写体に迫れば、ボケを生かした写真も撮れます。また超広角16mm相当(動画撮影時17mm相当)は、写真でも動画でもダイナミックな画作りが可能。自分を画面に入れたVlog撮影にもピッタリです。

AFはデュアルピクセルCMOS AF II for PowerShotを搭載。動きまわる被写体に強いだけでなく、人物や動物(犬、猫)の瞳も検出します。さらに最高30コマ/秒の高速連写も実現し、子供やペットの撮影に威力を発揮します。

そして動画は4K60pに対応。4K動画撮影はとても熱が発生するのですが、PowerShot V1は冷却ファンを内蔵。4K30pで2時間も撮影できます。また10bitのLogにも対応し、豊かな階調の動画が可能。カメラ本体はコンパクトで手軽に扱えながら、本格的な動画制作も行えます。

Vlogをはじめ、本格的な動画撮影を中心としながら、写真の機能にもしっかりこだわりたい、という人に向いたコンデジです。

キヤノンオフィシャル作例より

リコー GR IV

スナップ向けコンパクトデジタルカメラとして絶大な人気を誇るRICOH GRシリーズ。2005年に登場した初代GR DGITALからGR DIGITAL IVまでは1/1.7型の撮像素子でしたが、2013年のGRからレンズ交換式並みに大きいAPS-Cサイズになり、表現力がアップしました。そして、そのGRの四代目となるのが2025年に発売されたばかりのGR IVです。

外観は前モデルのGR IIIから踏襲するGRらしい精悍なデザイン。しかも奥行きが2mm薄くなりました。わずか2mmですが、その差は大きく、グンとスリムになった印象です。また背面の操作部も見直しがされ、より確実でスムーズに扱えるようになりました。

レンズはGRシリーズお馴染みの28mm相当の単焦点広角レンズ。しかしGR IIIが4群6枚(非球面レンズ2枚)なのに対し、GR IVは5群7枚(非球面レンズ3枚)と新設計です。そして約2600万画素の撮像素子と画像処理エンジンも新型のGR ENGINE 7を採用。さらに手ブレ補正もGR IIIが3軸4段だったのに対し、GR IVは5軸6段分を実現しました。GRらしい形を受け継ぎながら、中身は大幅に進化しています。

AFも高速化され、ストレスのない測距が可能。スナップシューターらしいキビキビした撮影が楽しめます。また画質の良さもGR IVの大きな魅力。被写体に迫ればボケも生かせるので、豊かな表現力を持ったコンパクトデジタルです。街を歩きながら心が惹かれた瞬間をとらえるのに最適なカメラと言えるでしょう。なおハイライトがにじむHDF(Highlight Diffusion Filter)を内蔵した特別モデルのGR IV HDFと、モノクロ専用機のGR IV Monochromeもラインナップしています。

リコー GR IV・絞りF5.6・1/320秒・ISO100・WBオート
歩道橋の下で佇む人。GR IVはAFが高速化されて撮りたい瞬間を見事にとらえました。スナップカメラとしての完成度がより高くなりました。

富士フイルム X half

まるでフィルムコンパクトカメラを思わせるクラシカルなデザインのユニークなコンパクトデジタルカメラ。撮像素子は約1770万画素の1型を縦に搭載。なんと横位置で構えて撮影すると縦位置に写ります。これはX halfの名前の通り、フィルムカメラのハーフサイズを意識した仕様。小型ボディながら光学ファインダーも装備し、ハーフサイズのフィルムコンパクト感覚の撮影が楽しめます。またハーフサイズフィルムの隣り合った2コマをひとつの画面にする表現をデジタル行う「2-in-1」機能も搭載。2枚組の組み写真のような仕上がりができます。

操作部も少ないX halfですが、主要な設定は背面モニターのタッチパネルで可能です。スマホを操作している感覚に近く、これまでスマホで写真を撮っていた人にも馴染みやすいでしょう。FUJIFILMお馴染みのフィルムシミュレーションも13種類から選べ、フィルムのパトローネを思わせる表示もX halfならではの楽しさです。

X halfで最も特徴的な機能と言えるのが、フィルムカメラモード。フィルムカメラモードにすると、36枚、54枚、72枚の撮影枚数を選択。巻き上げレバーを彷彿させるフレーム切り替えレバーで「巻き上げ」の操作をしながら1枚1枚撮影します。しかも背面モニターには再生画像は表示されません。それはまさにフィルムカメラの撮影感覚。撮り終えたらスマホのアプリで「現像」し、ようやく撮った写真がスマホで見られます。手間をかけて写真を楽しむフィルム写真のスタイルをデジタルで再現しています。

「フィルムカメラのようにデジタルカメラを楽しみたい」という人には最適なコンデジです。

富士フイルム X half・絞りF5.6・1/320秒・ISO200・WBオート
レンズの焦点距離は35mm判換算32mm相当。これは写ルンですとほぼ同じです。肉眼で見た印象を自然な遠近感で撮影できました。

ライカD-LUX8

ライカの中で唯一となるズームレンズ搭載のコンパクトデジタルカメラ。ライカD-LUXシリーズは、もともと協業メーカーをベースにしていて、ライカD-LUX8も同様です。しかしラウンドした側面を持つフォルムはまさにライカ。さらに背面のボタン配置もライカMシステムやライカSLシステム、ライカQシリーズと同じ。もちろんメニュー画面や文字のフォントもライカ独自のスタイルです。そのため、手にして操作している感覚はライカそのもの。赤い「Leica」バッジだけでなく、使い心地もライカそのものなのです。

撮像素子はフォーサーズ(4/3型)を採用。マルチアスペクトに対応し、アスペクト比(画面の縦横比)を変更してもレンズの画角はほとんど変わりません。そのレンズは、24〜75mm相当のライカDCバリオ・ズミルックス f1.7-2.8。本格的な広角から中望遠までの常用域をカバーします。ボケを生かした写真も撮れて、マクロモードではワイド端でわずか3cm。クローズアップも得意です。画素数は有効1700万画素。解像力が高く、ダイナミックレンジも広い高画質が得られます。

仕上がり設定のフィルムモードもライカM、ライカ SL、ライカQシリーズと共通。ライカらしい画作りが味わえます。RAWも同様にDNG形式を採用している点も見逃せないポイントです。

小型のバッグに収まるコンパクトなボディにEVFも搭載。本格的なスタイルの撮影が手軽に行えます。しかもライカ。ライカ MシステムやライカSLシステムユーザーの日常使いとしてはもちろん、初めてライカを手にする人にもおすすめできるコンデジです。

ライカD-LUX8・絞りF8・1/200秒・ISO100・WBオート
ワイド端24mm相当で広角レンズらしい遠近感を狙いました。金属の質感再現も高く、ハイライトからシャドーまで豊かな階調の写真が撮れました。

まとめ

今回ご紹介した5機種は、どれも撮影して楽しく、性能もピカイチの機種ばかり。それぞれ特徴が異なるので、自分の撮影スタイルに合った機種を選びましょう。高級コンデジを手にすれば、毎日の景色が新鮮になること間違いなし。ぜひお気に入りの1台を見つけてください。

今回のカメラ・レンズ

ソニー RX100M7
◉発売=2019年8月30日 ◉メーカー希望小売価格=オープン(実売:188,100円税込)

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キヤノンPowerShot V1
◉発売=2025年4月25日 ◉メーカー希望小売価格=オープン(実売:133,650円税込)

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リコー GR IV
◉発売=2025年9月12日 ◉メーカー希望小売価格=オープン


富士フイルム X half
◉発売=2025年6月26日 ◉メーカー希望小売価格=オープン(実売:99,800円税込)

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ライカD-LUX8
◉発売=2024年7月20日 ◉メーカー希望小売価格=286,0000円(税込)(実売:271,700円税込)

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