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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! フォトグラファー クキモトノリコ ✕  真夏のおすすめスナップ撮影地 in 関西

写真・文:クキモトノリコ/編集:合同会社PCT

この夏おすすめの撮影スポットへ出かけよう!

この夏、写真を撮りに出かけたいけれど、暑いしどうにも外へ足が向かないという方へ、写欲を刺激する夏の関西撮影おすすめスポットと撮影術を、神戸在住の写真家クキモトノリコさんにご紹介いただきました。

クキモトノリコ
学生時代の海外ひとり旅をきっかけに一眼カメラを手に入れ、写真をはじめる。いくつかの職業を経て写真家へ転身、2010年よりカメラメーカーの講師に。現在は『たのしく、わかりやすい』をモットーにニコンカレッジの他、自治体主催を含めて様々な写真セミナーで講師を務めている。 公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。 神戸出身・在住。晴れ女。

1.はじめに

暑い夏は外に出かけたくない......そんな方も多いかと思います。そうなると必然的に撮影の機会も減ってしまうのではないでしょうか。水族館など涼しい屋内も活用したいところですが、暑さとうまく付き合いつつ真夏ならではの写真が撮れるスポットなどをピックアップしてみました。

ニコンZ6 Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・101mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/500秒・-0.3段補正・ISO 400・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:びわこ箱館山

風が吹いて風鈴が揺れるタイミングを待って撮影

2.早起きは三文の徳!? 暑くなる前に朝活を

一日の中で最も気温が低いのは早朝です。早朝から本格的に気温が上がる午前10時くらいまでの間に撮影を楽しむ、というのも夏はオススメです。早朝の街スナップもよいですが、せっかくの夏の早朝となるとやはり蓮や睡蓮の花ではないでしょうか。関西の蓮の撮影地の一例としては「万博記念公園」「服部緑地」「京都府立植物園」「藤原宮跡」他、「三室戸寺」や「唐招提寺」など蓮で有名なお寺などもあります。

蓮はお寺の場合は鉢に植えられていることもありますが、公園だと蓮池に咲いているものを遊歩道などから撮影することになり、お花との距離が離れていることが多くなりがちです。ぜひ望遠レンズを持って出ましょう。

OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO+MC-14・210mm(35mm判換算420mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF4・1/250秒・-1.0段補正・ISO 320・WB 晴天・ナチュラル
撮影地:服部緑地


睡蓮も池に咲いているところを撮影することになりますが、蓮と違って水面近くに咲くお花なので、横からだけでなく、上から見下ろすようになど、さまざまな角度から撮影することをおすすめします。


OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・90mm(35mm判換算180mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF2.81/2500秒・-0.7段補正・ISO 320・WB 晴天・ナチュラル
撮影地:服部緑地

蓮撮影のみならず、お花撮影全般にも通ずることですが、色の仕上がり設定をそのカメラの基本色(スタンダードやナチュラルなど)以外に、カメラに搭載されたフィルター効果を利用することもおすすめです。試しに設定を変えてみることで新たな発見があるかもしれません。


OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3・200mm(35mm判換算400mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF6.3・1/1250秒・-1.3段補正・ISO 400・WB 曇天・ブリーチバイパスⅠ(アートフィルター)
撮影地:服部緑地


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・110mmで撮影・絞り優先AE・絞りF6.3・1/640秒・-0.7段補正・ISO 200・WB自然光オート・グラファイト(クリエイティブピクチャーコントロール)
撮影地:服部緑地


【撮影地情報】
・服部緑地:https://hattori-ryokuchi.com
(北大阪急行(大阪メトロ御堂筋線直通)「緑地公園駅」より徒歩約5分)
・京都府立植物園:https://www.pref.kyoto.jp/plant/
(京都市営地下鉄「北山駅」3番出口すぐ)
・藤原宮跡:https://www.city.kashihara.nara.jp/soshiki/1021/1/2/5/3873.html
(近鉄「大和八木駅」または「橿原神宮前駅」より橿原市コミュニティバス「橿原市藤原京資料室前」下車、徒歩約4分)
・三室戸寺:https://www.mimurotoji.com
(京阪電鉄「三室戸駅」より徒歩約15分)
・唐招提寺:https://toshodaiji.jp
(近鉄「西ノ京駅」より徒歩約12分)

3.涼しげな音を写真で表現する

夏の風物詩のひとつである風鈴。涼しげな音色を感じさせるような写真を撮影してみてはいかがでしょうか。夏場、風鈴で有名なのは京都府宇治田原町の「正寿院」や奈良県橿原市の「おふさ観音」、大阪府島本町の「水無瀬神宮」など。このうち、公共交通機関でアクセスしやすいのはおふさ観音と水無瀬神宮でしょう。

まずは状況説明的なもの、風鈴がたくさん並んでいるさまも抑えておきたいところです。風鈴がブレることで風に揺れている様子を伝えるため、シャッター速度を遅くして撮影。「S(Tv)モード(シャッター速度優先モード)」でもよいですが、私は「A(Av)モード(絞り優先モード)」のまま、自分の欲しいシャッター速度になるように絞りとISO感度を調整する方法もよく用いています。

ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・24mmで撮影・絞り優先AE・絞りF16・1/20秒・+0.7段補正・ISO 100・WB 自然光オート
撮影地:水無瀬神宮

その後、風鈴をクローズアップして単体でも撮影。後ろにある他の風鈴の表面の光がまぁるい玉ボケとなりました。


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・200mmで撮影・絞り優先AE・絞りF6.3・1/125秒・+0.7段補正・ISO 200・WB自然光オート
撮影地:水無瀬神宮

ホワイトバランスはプリセット(「晴天」や「電球」などあらかじめ決められたもの)を主に使われる方が多いのではないかと思いますが、見た目にも涼しく感じられるように色温度を自分で設定することもおすすめです。晴れていても「晴天」の5200〜5300Kよりも低い数値(4000〜5000K)に色温度を下げることで青みが足されて涼しげな印象となります。プリセットでは蛍光灯が4000K、白熱電球が3000Kですが、蛍光灯だとマゼンタが強く出てしまったり、白熱電球だと不自然に青くなり過ぎたりすることも多く、私自身は上記の4000K〜5000Kの間の設定を使うことが多いのですが、モニターやファインダーで色を確認しながら決定しています。



OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・142mm(35mm判換算284mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF2.8・1/250秒・+0.7段補正・ISO 200・WB 4800K・ナチュラル
撮影地:おふさ観音

また、風鈴は多重露出撮影にもおすすめの被写体です。風鈴同士を重ねたり、手水鉢に浮かべられているお花などと組み合わせたり。主役となる風鈴を大きく、脇役を小さく重ねてみましょう。


OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・40mm(35mm判換算80mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF2.8・1/40秒・+0.3段補正・ISO 200・WB晴天・ナチュラル
撮影地:おふさ観音


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・135mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/80秒・-1.7段補正・ISO 200・WB自然光オート
撮影地:水無瀬神宮

【撮影地情報】
・おふさ観音:https://www.ofusa.jp
(近鉄「大和八木駅」より徒歩約25分、奈良交通バス「小房」より徒歩約8〜10分)
・水無瀬神宮:https://www.minasejingu.jp
(阪急「水無瀬駅」またはJR「島本駅」より徒歩約10分)

4.水の表情を捉える

暑い季節に涼しげな被写体としてやはり「水」が挙げられるのではないでしょうか。海や川といった自然の中の「水」を撮影することもおすすめですが、公園などの噴水などをうまく利用するのもひとつです。

滋賀県にある草津市立水生植物公園みずの森は、円形状に上から下に向かって水が落ちる仕掛け(噴水)があるのですが、ここで落ちてくる水や跳ね返る水を高速シャッターで撮影することで、様々な水の表情を捉えることができます。ポイントは高速シャッターとピント合わせ。シャッター速度はSモードやMモードで1/8000秒などの一番速いシャッター速度にします。尚、シャッター速度をうんと速くすることで露出が下がって写真が暗くなることがありますが、ISO感度を上げてバランスを取ります。またピント合わせはAFを使いつつMFも用いてしっかりピントを合わせたいところで、ピントの山を赤や黄色といった色で教えてくれるフォーカスピーキングを用いての撮影がおすすめです。

OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・50mm(35mm判換算100mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/640秒・-0.3段補正・ISO 320・WB晴天・ナチュラル
撮影地:水生植物公園みずの森


水を「面」で捉えたり「点」で捉えたりする中で、落ちてくる水の表面に波紋が現れていたり、水滴の中に向こうの風景を捉えていたり。シャッター速度などカメラの設定は同じであっても同じ写真は二度と撮れないところが魅力です。


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・135mmで撮影・シャッター速度優先AE・絞りF6.3・1/8000秒・ISO 2000・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:水生植物公園みずの森


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・145mmで撮影・シャッター速度優先AE・絞りF6.3・1/8000秒・-0.3段補正・ISO 1600・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:水生植物公園みずの森


OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・150mm(35mm判換算300mm)で撮影・シャッター速度優先AE・絞りF3.2・1/10000秒・ISO 1250・WB晴天・ナチュラル
撮影地:水生植物公園みずの森


水の「粒」はまるでジュエリーのようにも見え、またその粒の中に気泡が入っていることにも驚かされます。


OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・150mm(35mm判換算300mm)で撮影・シャッター速度優先AE・絞りF3.5・1/10000秒・-0.7段補正・ISO 500・WB 晴天・ナチュラル
撮影地:水生植物公園みずの森

この水生植物公園みずの森は、夏場はオニバスが見られることでも有名です。オニバスや蓮・睡蓮といった夏の植物の撮影も合わせて楽しめます。


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 14-30mm f/4 S・24mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/1600秒・ISO 640・WBオート・スタンダード
撮影地:水生植物公園みずの森

【撮影地情報】
・草津市立水生植物公園みずの森:https://www.seibu-la.co.jp/mizunomori/
(JR琵琶湖線「草津駅」より近江鉄道バス「みずの森」下車すぐ)

5.暑さを避けて高いところへ

暑さを避ける方法として、高いところへ行く、ということも挙げられるのではないかと思います。高度が100m上がると気温は約0.6度下がるとも言われており、下記でご紹介する生駒山上遊園地は標高約600mほど、びわこ箱館山は標高約680m、六甲ガーデンテラスが標高約880mで、それぞれ山麓よりも約3〜5度ほど低くなる計算となります。また夕景の時間帯を狙うことでより一層暑さを避けることができておすすめです。

滋賀県北部に位置するびわこ箱館山は、冬はスキー場ともなる開けた山の斜面から望む琵琶湖が素晴らしい絶景スポットです。またカラフルな高島ちぢみを用いた「虹のカーテン」や琵琶湖畔の葦(よし)とカラフルな風鈴を用いた小道、空へと続く階段など写真撮影が楽しくなるスポットがいくつも用意されており、他にも様々なアクティビティがあることから家族連れでも楽しめるスポットとしてもおすすめです。

ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・58mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/640秒・-0.3段補正・ISO 100・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:びわこ箱館山


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・58mmで撮影・絞り優先AE・絞りF6.3・1/1600秒・+0.3段補正・ISO 250・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:びわこ箱館山


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・58mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/1600秒・+0.7段補正・ISO 400・WB自然光オート・スタンダード
撮影地:びわこ箱館山

日本3大夜景にも選ばれた神戸の夜景が楽しめる六甲山。ケーブルカーとバスでアクセス可能な六甲ガーデンテラスには近くに自然体感展望台「六甲枝垂れ」があり、そのデザイン性もまた非常にフォトジェニックな撮影スポットです。夏場は日没が遅いことから「夜景」となるとかなり遅い時間帯になってしまいますが、夏の夕暮れの黄昏時を山の上から楽しんではいかがでしょうか。気象条件次第では実際の肉眼での景色も次の写真のように景色全体がピンクに包まれることがあり、ホワイトバランスが「晴天」のままでもこのような仕上がりの写真が撮れることもあります。


OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・17mm(35mm判換算34mm)で撮影・三脚使用・絞り優先AE・絞りF8・1/1.6秒・+0.7段補正・ISO 200・WB晴天・ナチュラル
撮影地:六甲ガーデンテラス


ニコンZ6Ⅱ・NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR・26.5mmで撮影・絞り優先AE・絞りF4.2・1/60秒・-1.3段補正・ISO 800・WB自然光オート・ビビッド
撮影地:六甲枝垂れ

大阪と奈良の境に位置し、大阪平野を見下ろす生駒山の頂上にある生駒山上遊園地。夏季の週末や夏休み期間中はナイター営業を行なっており、夏でも遊園地でのイルミネーション撮影が楽しめます。こちらでも気象条件が良いと非常に綺麗な夕景が撮影できます。ぜひ遊園地のアトラクションと組み合わせて撮りたいところです。


OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8・75mm(35mm判換算150mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF4.5・1/250秒・+1.0段補正・ISO 400・WB晴天・ビビッド
撮影地:生駒山上遊園地


OM SYSTEM OM-1, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・17mm(35mm判換算34mm)で撮影・三脚使用・絞り優先AE・絞りF4・1/6秒・ISO 400・WB4000K・ナチュラル
撮影地:生駒山上遊園地


とはいえ、やっぱり外は暑くてかなわない!そんな方におすすめなのが、大阪府咲洲庁舎展望台「コスモタワー」です。地上252mから東西南北360度を見渡せる展望室は、眺めの良さはもとより、空調完備で全天候型という点が大きなオススメポイントです。気象条件の良い日に大阪の夜景を撮影するのもよいですが、むしろ夏の夕方の空が不安定な日にこそ出かけたいスポットでもあります。気象条件によっては夕暮れの太陽と雲が描き出す大阪湾の表情や、落雷の瞬間などを撮影することができるかもしれません。


ニコンZ30・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR・82mmで撮影・絞り優先AE・絞りF5.3・1/10秒・-0.3段補正・ISO 3200・WBフラッシュ・ビビッド
撮影地:コスモタワー


ニコンZ30・NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR・140mmで撮影・絞り優先AE・絞りF6.3・1/100秒・-0.3段補正・ISO 800・WBフラッシュ・ビビッド
撮影地:コスモタワー


OM SYSTEM E-M5 MarkⅢ・M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6・20mm(35mm判換算40mm)で撮影・三脚使用・マニュアルモード(ライブコンポジット)・絞りF18・1秒・ISO 64・WB 6000K・ナチュラル(比較明合成 516コマ)
撮影地:コスモタワー


【撮影地情報】
・びわこ箱館山:https://www.hakodateyama.com/green/
(JR湖西線「近江今津駅」より湖国バス「箱館山」下車、ロープウェイにて山上へ)
・六甲ガーデンテラス:https://www.rokkosan.com/gt/
(阪神「御影駅」、JR「六甲道駅」、阪急「六甲駅」より神戸市バス「六甲ケーブル下」下車、六甲ケーブルにて「六甲山上駅」へ、六甲山上バスに乗り換えて「六甲ガーデンテラス」下車すぐ)
・生駒山上遊園地:http://www.ikomasanjou.com ※ナイター営業日に注意
(近鉄「生駒駅」より生駒ケーブル「生駒山上遊園地」下車すぐ)
・大阪府咲洲庁舎展望台 コスモタワー:https://sakishima-observatory.com
(大阪メトロ 南港ポートタウン線(ニュートラム)「トレードセンター前駅」より徒歩約3分)

6.水辺の夕景

暑さのピークを過ぎた夕刻の外出先として、涼しげなイメージである水辺も暑い季節にはおすすめです。関西のウォーターフロントといえばやはり大阪港と神戸港。それぞれ西に沈む夕陽を臨むスポットがあったり、コンテナヤードのガントリークレーンのシルエットがフォトジェニックだったりします。

海遊館のさらに西側に「ダイヤモンドポイント」と呼ばれる夕陽スポットがあり、沈みゆく太陽を眺めることができます。夕景撮影時にはホワイトバランスの設定次第で空の表情がぐんと変わります。晴れた日であっても「曇天」にすることで夕焼け感が増しますが、他にも「フラッシュ(ストロボ)」という設定にすることでも夕焼け感が表現できます。(フラッシュを焚く、ということではなく、あくまでもWBの設定を「フラッシュ(ストロボ)」にする、ということです)また、ここで敢えての「蛍光灯」に設定することで、肉眼で見えている景色とは全く違うものの、ロマンチックな夕景に変身することも。「見た目通りに撮りたい」「見た目とは違うけれど、イメージに合わせて表現したい」など、それぞれの目的に合わせて撮影を楽しめるのも写真の面白いところです。

OM SYSTEM PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/500秒・+0.3EV補正・ISO 400・ナチュラル 晴天
撮影地:大阪港 ダイヤモンドポイント


OM SYSTEM PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/500秒・+0.3EV補正・ISO 400・ナチュラル 曇天
撮影地:大阪港 ダイヤモンドポイント


OM SYSTEM PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/500秒・+0.3EV補正・ISO 400・ナチュラル フラッシュ
撮影地:大阪港 ダイヤモンドポイント


OM SYSTEM PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/500秒・+0.3EV補正・ISO 400・ナチュラル 蛍光灯
撮影地:大阪港 ダイヤモンドポイント


神戸市内にいくつかある「BE KOBE」のモニュメントのうち、ふたつめにできたのがポートアイランド西公園、通称「ポーアイしおさい公園」にあるこちらのモニュメント。黒ベースの台座からBE KOBEの文字がくり抜かれており、夕陽の時間帯には地面に「BE KOBE」の文字が浮かび上がります。ここから徒歩20分ほど、神戸大橋のすぐ下に位置するポートアイランド北公園からの夕景と合わせて訪れたい場所です。


ニコンZ6・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S・45mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/200秒・+0.3段補正・ISO 100・WB自然光オート
撮影地:ポートアイランド西公園(ポーアイしおさい公園)


ニコンZ6・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S・70mmで撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/60秒・-0.3段補正・ISO 400・WBフラッシュ・オート
撮影地:ポートアイランド北公園


神戸の夕景というともうひとつ、鉄板ではありますがメリケンパークとハーバーランドが有名です。個人的には中突堤(ポートタワーの海側、船型のホテルのあるあたり)から西側の造船所を望むことでたくさんのクレーンが並ぶ光景が気に入っています。また、ポートタワーもようやく改修工事が終わり本来の姿が戻ってきた今、マジックアワーの暮れゆく空とともにカメラに収めたい光景です。


OM SYSTEM E-M1 MarkⅡ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・12mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞り優先AE・絞りF8・1/400秒・-0.7段補正・ISO 400・WB フラッシュ・ナチュラル
撮影地:中突堤


ニコンZ6・NIKKOR Z 24-70mm f/4 S・24mmで撮影・プログラムAE・絞りF4・1/20秒・-0.3段補正・ISO 500・WB自然光オート
撮影地:中突堤

【撮影地情報】
・大阪港ダイヤモンドポイント(中央突堤 夕陽のテラス):https://www.pref.osaka.lg.jp/o130170/kenshi_kikaku/viewspotosakaproject/viewspot-o-mina1.html
(大阪メトロ中央線「大阪港駅」より徒歩約10分)
・ポートアイランド西公園(ポーアイしおさい公園):https://www.feel-kobe.jp/kobe-yakei/spots/port-island-shiosai-park/
(ポートライナー「みなとじま駅」より徒歩約15分)
・ポートアイランド北公園:https://www.feel-kobe.jp/kobe-yakei/spots/port-island-kita-park/
(ポートライナー「中公園駅」より徒歩約10分)
・神戸港中突堤(JR・阪神「元町駅」「神戸駅」より徒歩約15分)

7.まとめ

今回取り上げた以外にも様々なロケーションがあるかと思います。今回ご紹介したように、時間を選んだり、標高の高いところへ出向くなど、できるだけ暑さを避ける工夫をしつつ、夏らしい写真撮影を楽しんでいただけたらと思います。

OM SYSTEM OM-1・M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO・150mm(35mm判換算300mm)で撮影・シャッター速度優先AE・絞りF2.8・1/1000秒・-0.7EV補正・ISO 500・WB晴天・ナチュラル
撮影地:水生植物公園みずの森


今回のカメラ・レンズ

OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ
◉発売=2021年12月24日 ◉生産終了品


OMデジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-1
◉発売=2022年3月18日 ◉価格=オープンプライス


OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅢ
◉発売=2019年11月22日 ◉生産終了品


OLYMPUS PEN-F
◉発売=2016年2月26日 ◉生産終了品


M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
◉発売=2013年11月29日 ◉生産終了品


M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
◉発売=2010年6月25日 ◉生産終了品


M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3
◉発売=2019年 3月22日 ◉価格=154,000円(税込)
詳しくはこちら


M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
◉発売=2014年11月29日 ◉価格=247,500円(税込)
詳しくはこちら


M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
◉発売=ブラック:2013年6月14日/シルバー:2012年7月6日 ◉価格=130,900円(税込)
詳しくはこちら


ニコンZ6Ⅱ
◉発売=2020年11月6日 ◉価格=オープンプライス(実売:258,390円税込)
詳しくはこちら


ニコン Nikon Z 6
◉発売=2018年11月23日 ◉価格=生産終了品


ニコンZ30
◉発売=2022年8月5日 ◉価格=オープンプライス(88,110円税込)
詳しくはこちら


NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
◉発売=2018年9月28日 ◉価格=オープンプライス(実売:121,275円税込)
詳しくはこちら


NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
◉発売=2020年7月3日 ◉価格=オープンプライス(112,860円税込)
詳しくはこちら


NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
◉発売=2019年4月19日 ◉価格=オープンプライス(実売:166,320円税込)
詳しくはこちら


NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
◉発売=2021年11月26日 ◉価格=オープンプライス(73,260円税込)
詳しくはこちら