カメラの大林 オンラインマガジン

カテゴリー
カメラレンズアクセサリー風景星景航空写真/鉄道写真ポートレート動物
分野
実写レビューハウツーライカ コラムその他
ブランド
NikonCanonSONYPanasonicFUJIFILMOM SYSTEMTAMRONLeica

カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! ペトグラファー小川晃代 × 愛犬愛猫写真の撮り方

写真・文:小川晃代/編集:合同会社PCT

犬や猫とコミュニケーションをとりながら、さまざまなペットの撮影をされる「ペトグラファー」小川晃代さん。一緒に暮らす愛犬愛猫を誰もが写真に残したいと思うもの。今回は極上の一枚を撮るためのコツや、シチュエーション、テクニックについて教えていただきました。お手持ちのカメラをご用意ください!

小川晃代(おがわあきよ)
トリマー・ドッグトレーナー資格を保持しペットやのら猫等小さな生き物撮影を得意とするペトグラファー。ペット&キッズ専門の写真スタジオ「アニマルラグーンSTUDIO」を東京都世田谷区で運営。現在は専門学校での写真教室の講師やペットモデルコーディネーターとしても活躍。『ゆるねこ×ブッダの言葉』(インプレス)、『ちいさいののちゃん』(講談社ビーシー)、『ねこもふ。ごーじゃす』『手乗りねこ』(宝島社)、『ねこの撮り方まとめました!』(日本カメラ社)、『こいぬ』『こねこ』(ポプラ社)、『ねこきゅう』(東京書店)などの写真集ほか、ペットカレンダーも多く手がけている。
https://al-photost.com

はじめに

愛しい我が子の可愛い姿を残したい!と愛犬家愛猫家なら誰もが思うもの。
せっかくなら、もっとお洒落にもっと素敵な写真を撮りたいですよね!
今回はワンランク上の犬猫写真の撮り方についてお話します。

窓際で撮影。室内では明るい場所で撮るのがポイント

ソニーα7R V・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA・絞りF1.8・1/400秒・ISO320・AWB

愛犬の目線を誘導してイメージ通りの写真に

愛犬愛猫撮影でキモとなるのは目線です。カメラ目線やあえての視線外し等その場のシチュエーションに合うように被写体の目線を自在にコントロールできれば、写真のクオリティも上がります。
わんこの場合、お座り&待てが確実に出来ると撮影がとても楽になります。最低限のしつけとして訓練することをオススメしますが、まだ子犬だったり元気すぎる子の場合は、次の3つを試してみましょう。
わんこ撮影では「声」「おもちゃ」「おやつ」この3つを使い分けて撮影します。

まず「声」です。「お散歩行く?」「おやつ食べる?」などその子が好きな言葉で呼びかけるのも良いですが、一番効果的なのは「奇声」です。

愛犬が普段聞いた事のない音を発すると、落ち着きが無かった子もピタリと止まってくれます。この時、構えたカメラの真後ろから声を発生させるのがポイント。こうする事でバッチリカメラ目線が撮れるんです。中には奇声を聞いて首をかしげる子もいるので可愛い瞬間が撮れる事間違いなしです。
元気な子の場合、奇声で動きが止まるのは一瞬なので逃さずに連写で撮影しましょう。また奇声も2~3回程発すると聞き慣れた音になってしまうので声のバリエーションがいくつかあるとシャッターチャンスが増えますよ。

バッチリカメラ目線の1枚。

ソニーα7R Ⅳ・FE 70-200mm F2.8GM OSS(179mmで撮影)・絞りF2.8・1/250秒・ISO200・WBくもり

次に使いたいのが「おもちゃ」や「おやつ」。でもここで注意しなくてはならないのが、これらを見せる事で興奮し、余計に撮影しづらくなってしまう場合もあるという事です。愛犬の性格を見極めて、興奮しすぎないアイテムを使ってみましょう。

おもちゃやおやつは遊びながら撮影するのに使います。左手にアイテム、右手でカメラを構え、わんこの顔の近くにアイテムを持っていきます。写真にアイテムが写りこまないように、少し遊んだりおやつを食べさせたらアイテムを画面外に外して3枚ほど連写。またすぐにアイテムを顔の近くに戻してを繰り返します。この時にアイテムをレンズの少し上の方に持ってくればカメラ目線に、左か右に大きく外せば視線外しの写真が撮れます。

愛犬からもう少し離れて撮影したいという時は猫じゃらしの出番です。猫じゃらしは基本棒の先端にセロハンやボンボン等がついているため、棒の長さ分は愛犬から更に離れる事が可能です。特にセロハンタイプの猫じゃらしは振るとシャカシャカと音がなるため、目線の誘導にピッタリのアイテムです。手伝ってくれる家族やお友達がいたら目線誘導は任せて、自身は撮影に集中して撮ってみましょう。

見上げているようにしたかったので少し上方でセロハンタイプの猫じゃらしを振ってもらい撮影しました。

ソニーα7R Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS(200mmで撮影)絞りF2.8・1/320秒・EV+1.3補正・ISO640・WB日陰

にゃんこが好きな猫じゃらしとは

にゃんこの場合、猫じゃらしにじゃれてくれればバリエーション豊富に撮る事ができます。猫じゃらしで楽しく遊んでもらえるように、まずは様々な猫じゃらしを用意しましょう。羽、セロハン、ひも、毛、ダンボールなど素材も形も様々なのでご自身のにゃんこの好みを知っておくと良いですよ。私の経験上セロハン、毛、段ボールタイプの物がオススメです。特にセロハンタイプは振るとシャカシャカと音が鳴るため、離れた場所にいるにゃんこの気を引く事も出来ます。

いろいろな素材の猫じゃらしから愛猫のお気に入りをみつけましょう。

猫じゃらしにはショートタイプと、釣り竿のようなロングタイプの猫じゃらしがありますが、一人で撮影する場合はショートタイプの方が使いやすいです。

猫じゃらしを使う時は飽きさせないように猫じゃらしをまるで生き物かのように不規則に動かします。例えば小刻みに動かしたと思ったらピタリと止めたり、今度はそっと動かしたりとにゃんこが興味を持つような動きをしてみましょう。猫じゃらしに十分に興味を持ってくれたらカメラを構えいざ撮影です。
一人で撮影する時は、にゃんこが激しく動いてしまうと撮影しづらくなるので、なるべくその場にとどまってくれるように上手く猫じゃらしを動かし、猫じゃらしを一瞬画面外に外した所で3枚程連写、またすぐに猫じゃらしを戻して遊ぶを繰り返しながら撮影します。上手くいけばにゃんこが手を出した瞬間をとらえる事が出来ます。

1人で撮影。タイミングが合えば手を出した迫力のある1枚が撮れます。

撮影場所:保護猫カフェ きゃりこ武蔵野店
ソニーα7R V・FE 20-70mm F4 G(21mmで撮影)・絞りF4・1/640秒・ISO2500・AWB

猫じゃらしで遊んでいる時、にゃんこ達は実にいろんなポーズを見せてくれます。この動きを利用すればおもしろい擬人化写真の完成です。中でも比較的試しやすい撮影は何かを抱え込んだシーンの撮影です。抱え込ませたい小物を固定し、猫じゃらしをその小物の周りで動かします。にゃんこが手を出すようになったら小物を掴んでくれるように猫じゃらしで誘導し掴んだ瞬間に連写で撮ります。難易度は高いですが、一人で撮影するよりも二人で協力して撮影すれば成功率もアップしますので是非試してみてください。

猫じゃらしを上手く使ってキャンディ型のボールペンにかぶりつくシーンを撮ってみました。

ソニーα7R Ⅲ・FE 24-70mm F2.8 GM(70mmで撮影)・絞りF2.8・1/500秒・EV+1補正・ISO2500・WBくもり

怖がりの猫ちゃんの場合、落ち着く空間で遊んであげるのがベストです。例えばキャットタワーの上やハンモックなどいつもの場所で遊びながら撮影しましょう。

撮影場所:保護猫カフェ きゃりこトナリエふじみ野店
ソニーα7R V・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA・絞りF1.8・1/400秒・ISO500・AWB

毛並を美しく写すには

写真の美しさは光の使い方によって大きく左右されます。光を上手に使えれば、写真の見栄えはもちろんの事、毛並を美しく表現出来るのです。
光は、順光、斜光、サイド光、逆光がありますが、毛並がよりキレイに輝くのはサイド光~逆光です。被写体の真横~真後ろから当たる光が毛の輪郭を輝かせてくれます。

反逆光で撮影。柔らかい毛の質感がしっかり表現出来ました。

ソニーα7R Ⅳ・FE 35mm F1.4 ZA・絞りF1.4・1/640秒・EV+2補正・ISO500・WB太陽

室内の場合は窓際など光の差し込む場所で撮影しましょう。日差しが強すぎる場合はレースのカーテンをつけて柔らかい光にすることで撮りやすくなりますよ。
光の当たり方によって被写体の顔や胸に影が出る時があります。そんな時はレフ板やストロボ、LEDライトなどを使いますが、そんな機材を使わなくても代用できるものがあります。それは白いマットや白い厚紙です。

半逆光+白いマットで撮影した写真。

ソニーα7R Ⅳ・FE 35mm F1.4 ZA・絞りF1.8・1/1250秒・EV+1.3補正・ISO400・AWB

被写体の下に白いマットやシーツなどを敷くとそれ自体が光を反射させ被写体を明るくしてくれます。
小型のわんこであればA3サイズぐらいの白い厚紙がレフ板代わりとして使用出来ます。

また被写体の近くでカメラを構えて撮る場合には、ご自身が白い洋服を着ていればレフ板のような効果が期待できます。
この方法で被写体の背後からの光と、被写体の前方からの補助光でバッチリ!
しっかりと毛の質感を表現したキレイな写真が撮れますよ。

生き生きとしたシーンを撮る

遊んだり走っている時は、愛犬愛猫が一番キラキラ輝いている瞬間です。このように動いているシーンは設定を間違えるとブレたりピントが合わない事もあるので、撮る前にしっかりとカメラの設定をしましょう。

カメラに向かって走ってくるシーンを撮影。連写で大きく飛び上がった一瞬を捉えました。

ソニーα7R V・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II (200mmで撮影)・絞りF2.8・1/3200秒・EV+0.3補正・ ISO160・AWB

まずブレないシャッター速度ですが、日常を切り取るなら1/320秒以上、室内で少し動いているシーンを撮るなら1/500秒くらい、屋外で走りシーンを撮るなら1/2000秒以上で撮影しましょう。また動きシーンは1枚で撮るのが難しいため連写に設定し、沢山撮影した中からお気に入りの1枚を選んでみてください。

真剣に遊んでいる所を撮った1枚

ソニーα7R Ⅳ・FE 35mm F1.4 ZA・絞りF1.6・1/1250秒・ISO100・AWB

もう1つ重要なのがAFモードです。カメラメーカーによって呼び方は異なりますが、「AF-C」、「C-AF」、「サーボ」、「AIサーボ」等ピントが追従するモードに設定しましょう。そして明るい空間で撮影をします。夕方や曇りの日は光が足りずに、ピントの合う確率も低くなります。特に黒い子の場合、目にキャッチライトが入るくらいの明るさが無いと走りシーンのピント合わせは難しいです。はじめて走りシーンを撮る方は、順光で被写体にしっかり光が当たるようにして撮ると成功率が高いのでチャレンジしてみてください。

プラーで楽しそうに遊ぶわんこを望遠レンズでこっそり撮影。

ソニーα7R Ⅳ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS(200mmで撮影)・絞りF2.8・1/8000秒・EV+1補正・ISO400・AWB

今回のカメラ・レンズ

ソニーα7RV
◉発売=2022年11月25日 ◉価格=オープンプライス(実売499,950円・税込)
詳しくはこちら

Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
◉発売=2013年12月20日 ◉希望小売価格=130,900円・税込(実売105,930円・税込)
詳しくはこちら

FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
◉発売=2021年11月26日 ◉価格=オープンプライス(実売326,700円・税込)
詳しくはこちら

FE 24-70mm F2.8 GM Ⅱ
◉発売=2022年6月10日 ◉価格=オープンプライス(実売277,200円・税込)
詳しくはこちら

小川晃代さんの最近の使用機材
(左から)FE 85mm F1.4 GM、ソニーα7R V・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA、FE 70-200mm F2.8 GM OSS II

まとめ

愛犬愛猫の撮影では、撮影場所や誘導など撮り手がいろいろと工夫する事で作品度をアップさせる事ができます。撮影中はくれぐれも愛犬愛猫に負担をかけないよう楽しく、そして短時間で撮る事が良い写真を撮る一番のコツです。カメラをはじめたばかりの方は設定等慣れるまでに少し時間がかかるでしょう。そんな時は猫カフェにカメラを持って行って、猫カフェのにゃんこをモデルにカメラの練習をしてみるのも良いですね。

お気に入りのおもちゃで遊ぼうとしている所。

撮影場所:保護猫カフェ きゃりこトナリエふじみ野店
ソニーα7R V・Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA・絞りF1.8・1/500秒・ISO1000・AWB