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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! 中古カメラの楽しみ方第2回〜藤井智弘

写真・文:藤井智弘/編集:合同会社PCT

中古カメラを楽しむ際のポイントとは?

これから写真をはじめたい方も、ベテラン写真機愛好家も、カメラを買う際に新品と中古どちらを選ぶか、悩みは尽きないのではないでしょうか。今回のミニコラムは、新品以外の選択肢、中古カメラを楽しみたい初心者の方に向けて、写真家藤井智弘さんが全3回にわたり解説します。

藤井智弘(TOMOHIRO FUJII)or(ふじい・ともひろ)
東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年に写真展を開催後、写真家になる。カメラ専門誌、WEBでの撮影や執筆、各種撮影や写真講師等で活動。作品では、国内や海外の街を撮影している。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。デジタルカメラグランプリ(DGP)審査員。NHK文化センター柏教室講師。
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第2回は中古のデジタルカメラについて

かつては世代が変わると性能も大きく変わったデジタルカメラ。しかし、近年は旧モデルでも実用十分な性能を持つ機種も少なくありません。最新機種にこだわらなければ、デジタルカメラ選びはもっと楽しくなります。カメラの大林では、新品カメラはもちろん、中古のデジタルカメラも豊富なので、幅広い選択ができるのが嬉しいですね。

中古デジタルカメラを購入する際のポイントは?

中古でデジタルカメラを購入する最大のメリットが、新品より安く手に入ること。お財布に優しいお買い物をするのに、中古はとてもありがたい存在です。旧モデルだけでなく、現行機種が欲しいけれど予算が足りない、という方も中古で探してみましょう。また中古のデジタルカメラで予算を抑え、その分レンズやアクセサリーも購入して手軽にシステムアップするのも賢い方法です。

それでは旧モデルのデジタルカメラを購入する際、どれくらい前までのモデルを選べばよいでしょうか。先に述べた通り、近年のデジタルカメラは旧モデルであっても高い実力を持つ機種が多いです。明確な年数は特にありませんが、だいたい二世代前までの機種なら、現行モデルに迫る性能が得られます。一眼レフにするか、ミラーレスにするかもお好み次第です。

デジタル一眼レフは、フィルム一眼レフの流れを汲むシステムカメラ。光学ファインダーのスッキリした視認性や「本格派=一眼レフ」の雰囲気が楽しめます。新品の市場ではミラーレスが中心になってきているため、一眼レフを使いたい人にとって中古はありがたい存在。またミラーレスより長い歴史があるので、中古が豊富なのも嬉しいところです。

ミラーレスは新品で主流になってきたシステムカメラ。背面モニターやファインダーであらかじめ仕上がりの予想がイメージしやすく、小型の機種も多いのが特徴です。被写体認識AFやタッチパネル操作などを持つものが多く、スマートフォンに近い感覚で撮影できます。まだ歴史の浅いミラーレスは、これまで中古が少なかったのですが、新品の市場がミラーレス中心になるにつれ、中古も増えています。

次に購入の際、気を付けることについて。まずは外観の状態から見ましょう。ショーケース内に入っていると綺麗に見えても、実際手にしてみると意外と使い込まれていた、というケースもあります。そして各ボタンやレバーの動作チェック。ファインダーを覗いて、カビがないか、視認性に問題がないかを見ます。さらにAFや手ブレ補正などの動作をチェックしましょう。ボディのみ購入する場合でも、レンズを装着して試します。実際にシャッターを切ってみて、問題ないかを確認。各動作すべて問題なければ、付属品の有無も確認し、予算内で満足できる状態でしたら購入の決断をしましょう。

なお購入を検討しているデジタルカメラに、自分が使いたいと思っている機能が搭載されているかもチェックしておくと安心です。特にミラーレスカメラの場合、被写体認識機能が機種によって異なるので、「動物認識が欲しかったのに、買ってみたら搭載していなかった」などの失敗がないように。

購入したら、できるだけ早くテスト撮影をします。お店では問題ないと思っていても、実際に使ってみたら不具合が発生する可能性もゼロではありません。テスト撮影の結果も問題なければ、いよいよ自分の愛機として撮影デビューです。

では実際に、お店ではどんなデジタルカメラやレンズが人気なのか、カメラの大林スタッフの松田さんと滝さんに聞いてみました。(2023年7月現在)

カメラの大林スタッフの、松田さんと滝さんに中古デジタルカメラのあれこれを聞いてみた!

●よく売れているカメラやレンズは何でしょうか?
「ボディはミラーレス、特に富士フイルムX-Tシリーズが売れています。X-T2、X-T3、X-T4は店頭に並ぶとすぐ売れてしまいます。X-T5はまだ中古が少ないですね。フルサイズだとソニーα7シリーズです。α7 III、α7 IVの人気が高いです。ニコンZやキヤノンEOS Rシリーズの中古も増えてきましたが、まだ新品との価格差が少ない状況です。一眼レフもニコンD850やD780、キヤノンEOS 5D Mark III、5D Mark IV、EOS 6D Mark IIは売れていますよ。レンズは富士フイルムでは単焦点レンズ。23mm F2、35mm F1.4、33mm F1.4ですね。ソニーは逆にズームレンズ。Gマスターシリーズが人気です」

●問い合わせの多い機種は何ですか?
「やはり富士フイルムですね。X-T30 IIやX-E4など、小型で扱いやすいながら短命に終わってしまった機種を探している方が多いようです。X-Pro2やX-Pro3のお問い合わせも多く、価格も上昇傾向にあります」

●一眼レフとミラーレスのユーザー比率はどれくらいでしょうか?
「今は50:50。半々くらいだと思います。ミラーレスのユーザーが増えてきましたが、まだまだ一眼レフをお使いの方もいらっしゃいますね。また一眼レフの中古は価格が下がってきているので、これから写真を始める若い方が購入するケースも多いです。EOS 5D Mark IIIなら10万円以内で購入できますよ」

●動画ユーザーの方も多いのでしょうか?
「動画は法人のお客様が目立ちますね。ブライダルや映像制作会社などです。やはり動画に強いソニーやパナソニックが人気ですね。一般の方は、気軽にYouTubeに載せてみたいと思っているライトユーザーが多いです。そうした方は、ソニーZV-E10のようなVlogカメラに注目していますね」

●海外からのお客様は多いですか?
「コロナ禍になって外国の方は減りましたが、今は戻ってきました。特に中国や韓国、タイなどアジアのお客様が多いです。欧米から来られた方もいますが、8:2くらいでアジアの方が圧倒しています。コロナ前より増えている感じがしますね。どうやら海外のネットで当店が紹介されたらしく、それを見て来られた方もいます」

●お店おすすめの中古デジタルは何ですか?
「ずばり、ニコンZ fcですね。現行のミラーレス機としてはレンズとセットで10万円前後と安価なので、購入しやすいカメラです。カメラらしいデザインも魅力ですね。ブラックボディも追加されて、男女問わず注目度が高まっています」

ニコン Z fc

●カメラの大林さんはライカの製品にも力を入れていますが、ライカのデジタルの中古はどのような状況でしょうか?
「全般的によく売れています。ライカM10やライカMの人気は特に高いですね。デジタルのライカはどの機種も入荷したらすぐ売れてしまうので、在庫がないことも多いです。見つけたときが購入できるチャンスだと思ってください」

●アフターケアについてはいかがでしょうか?
「メーカー修理ができるカメラやレンズであれば、カメラボディは半年、レンズは1年の保証を付けて販売しています。またメーカー修理が終了してしまったカメラやレンズにつきましては、ご購入から7日間以内に不具合が起きた場合、返品が可能です。どうぞご安心してお買い物をお楽しみください」

まとめ

中古のデジタルカメラは、リーズナブルに高性能の機種が手に入るのが魅力。これから本格的にデジタルカメラで写真を撮りたいと思っている人から、すでにデジタルカメラで写真を撮っている人の2台目、さらに新システムを構築したい人にとって注目です。中古カメラというと、フィルムカメラをイメージする人も多いかもしれませんが、中古のデジタルカメラも見逃せません。しかもカメラの大林には、中古のデジタルカメラも豊富。機能や予算に応じて選べます。中古のデジタルカメラで充実したカメラライフを楽しみましょう。次回は中古のフィルムカメラについてお届けします。