カメラの大林 オンラインマガジン

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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! オンラインコンシェルジュ体験レポート〜塚本真梨子

写真・文:塚本真梨子/編集:合同会社PCT

空き時間で気軽にお悩み解決。カメラの駆け込み寺「オンラインコンシェルジュ」体験記

気になるカメラやレンズについて調べたいのに、お店に出向いたり問い合わせたりする時間がない……とお悩みのユーザーは少なくないだろう。今回はカメラメーカー勤務経験のある塚本真梨子氏による、カメラの大林「オンラインコンシェルジュ」体験記をお届け。みなさんもぜひ、使い方から下取りまで、カメラに関するお悩みはコンシェルジュに相談してみよう。

塚本真梨子(つかもと・まりこ)
カメラメーカーでの勤務を経て写真表現の世界に触れ、関心を深める。現在は2022年1月、東京都小伝馬町にオープンした、カメラや写真好きな人が集まるショップ&ギャラリー「MONO GRAPHY Camera & Art」のスタッフを務める。

オンラインコンシェルジュサービスって何?

カメラや写真に親しむうちに、あらゆる「悩み事」が湧いてきます。欲しい機材のスペックや使い方・購入・下取り・買取りなど、内容はさまざま。

ですが、カメラ販売店まで赴く時間が取れなかったり、カスタマーセンターへ電話で問い合わせてもなかなか繋がらなかったり、口頭のみでは伝えたいことがうまく伝わらなかったり…。

そんなとき便利なのが、ここ数年ですっかり確立されたWeb会議システムによる「オンラインコンシェルジュサービス」。こちらは大阪に拠点を持つカメラ専門店「カメラの大林」が1年ほど前に開始したもので、その手軽さから利用者がじわじわ増えているそうです。1時間ごとの予約制で、なんと無料! 関西圏在住でなくても利用可能と聞き、東京都内在住の私も早速試してみることに。

まずは問い合わせフォームで希望日時を指定の上、氏名と連絡先、相談内容を記入して送信します。しばらくすると予約完了メールが届き、当日はそこに記載されたURLにアクセスすればOK。非常にスムーズでした。万が一都合がつかなくなった場合も、予約完了メールからキャンセルできます。

筆者の愛用機材 マイクロフォーサーズ規格のOM SYSTEM

(写真左から)M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 、OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅢ+ボディキャップレンズBCL-1580、OLYMPUS PEN-F+M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro、M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0、SAMYANG 7.5mm F3.5 FISH-EYE

今回の相談は3つ。
ひとつは、マイクロフォーサーズ規格のサードパーティーレンズについて。次に、モノクロ撮影にオススメのカメラについて。そして、カメラの修理点検について。

レンズ体験を共有できる!

サードパーティのレンズに関して言えば、実は他人から譲り受けたもの以外まったく試したことがなかった私。評判を耳にしてから気になっていたため、この機会に話を聞いてみることにしました。

質感や装着時のサイズ感を画面越しに見られるほか、画面共有機能で実写作例を写しながら画質や色味を比較できるのは、Web会議システムならではの利点。簡易的であるものの、自分の手持ちレンズとピンポイントで比較でき、描写性能もしっかり確かめられました。

今回の相談員は、カメラの大林の宮地さん。筆者が所有するOLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅢにレンズを着脱する様子をオンラインでご紹介いただいた。

今回は入門レンズとしてTTArtisan(ティーティーアーティザン) 35mm f/1.4 Cをお薦めいただきましたが、驚くほどの手頃な価格もあって俄然関心が高まってしまいました。

今回、オススメされた交換レンズ。実売価格1万円を切る爆安プライスにビックリ。
銘匠光学TTArtisan 35mm f/1.4 C
◉発売=2000年1月20日 ◉価格=オープンプライス(実売9,800円・税込)

モノクロ描写にオススメのカメラ

次は、モノクロ撮影にオススメのカメラについて。
現在使用している機材に特段不満はないですが、モノクロ描写という観点で新たに取り入れるなら何が良いか、メーカーやマウントの縛りなしに一度聞いてみたいと思っていました。

最初に「モノクロといえば!」ということでお薦めいただいたのはLeica(ライカ)Q2。愛用する知人たちを見ていても、表現の幅が広がるカメラであることは間違いありません。

◉発売=2020年2月28日
◉メーカー希望小売価格=825,000円詳しくはこちら

……とは言え、なかなか勇気のいるお値段だったので、もう少しお手軽なものも…と伝えてみたところ、ご紹介いただいたのは富士フイルムのX-100V、X-S10、X-T4。
ここでも手に持った時のサイズ感や、フィルムシミュレーションを用いたモノクロ作例を見ながら説明が聞いているうちに、実際のプリントでの質感もじっくり見てみたくなりました。

古いフィルムカメラの修理相談

最後は、祖父の遺品整理中に発見した二眼レフについて。今後も大切に使えるよう、修理点検に出したいと思ってはいたものの、誰にどう頼めば良いかわからずにいました。

ご祖父の形見はなんと広角ディスタゴン55mm F4レンズ搭載の「ワイド・ローライ」。専用革ケース入り。

カメラの大林では、修理会社からの見積手配を仲介してくれるとのこと。必然的にカメラ専門店のお墨付き修理会社の元へ渡ることとなるので、安心してお任せできます。
早速、近日内に機材を発送し見積を依頼することにしました。
※発送費は自己負担

まとめ

楽しく話しているうちに1時間はあっという間に終了。

実際に利用してみて、噂通りの手軽さと利便性を感じました。家事の合間や休憩中などの隙間時間を使って、カメラのお悩み解決ができてしまうのです。1時間で足りなければ日を改めて再予約しても良いし、担当者指名もできるので、次回ゼロから説明し直す必要もありません。信頼できるコンシェルジュを見つけたら、メンターのような頼れる存在になるでしょう。

最近は下取り相談の案件が特に多いそうですが、その他の内容でも大歓迎とのこと。
「駆け込み寺」として気軽に利用してみては如何でしょうか。

塚本さんの作品も拝見

ブダペストの路上で見つけた謎の3人組。曇天の東ヨーロッパは常に憂鬱さを帯びており、どっしりとしたハイコントラストなモノクロがよく似合っていたように思います。

【撮影データ】OLYMPUS PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・14mm(35mm判換算28mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF2.8開放・1/500秒)・ISO200・AWB・RAW+JPEG

スリランカの市街地で遭遇したペリカン。本当はもっと右側にいてほしかったもののこの後すぐ泳ぎ去ってしまいました。自然風景写真というよりスナップ写真として仕上げたかったため、カメラ内で色味やコントラストを強めに設定して撮影。

【撮影データ】OLYMPUS PEN-F・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・40mm(35mm判換算80mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF2.8開放・1/1250秒)・ISO200・AWB・RAW+JPEG

最近は架空の宇宙や深海を探検する感覚で、身近な被写体をモノクロのマクロで切り取りることにハマっています。こちらの写真は昨年、人生初の写真展でも飾らせていただきました。

【撮影データ】OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅢ・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO・40mm(35mm判換算80mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF2.8開放・1/400秒)・ISO200・―0.7EV補正・AWB・RAW+JPEG

今回、登場したカメラ、レンズ

OLYMPUS(OM SYSTEM)OM-D E-M1 MarkⅢ
◉発売=2020年2月28日
◉価格=オープン価格

Leica Q2
◉発売=2020年2月28日 ◉メーカー希望小売価格=825,000円詳しくはこちら

TTArtisan 35mm f/1.4 C
◉発売=2022年11月25日 ◉価格=10,000円(税込)

OLYMPUS PEN-F
◉発売=2016年2月26日 ◉生産終了