カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! 第八弾! フォトグラファー 高橋良典 ✕ ソニーα7R Ⅴ[ILCE-7RM5]実写レビュー
写真・文:高橋良典/編集:合同会社PCT
風景写真家が使ってわかった、最旬高画素機α7R Ⅴの実力
生まれ故郷である奈良県在住の風景写真家、髙橋良典さんによる、ソニーの高画素ミラーレスカメラの最新機、ソニーα7R Ⅴ[ILCE-7RM5]の実写レビューをお届けします。自身従来機のα7R Ⅳユーザーである立場から、最新機の変わったこと、変わってないこと、そして大幅に進化した注目ポイントを美しい作例とともに、解説していただこう。
- 高橋良典(たかはし・よしのり)
- 1970年奈良県生まれ。高校の頃から写真家を志し、卒業後に一旦上京するが、東京の暮らしの中で生まれ育った地域の魅力に改めて気づく。生まれ故郷の奈良に戻り2000年にフリーの写真家として独立。奈良県の撮影と併行して自然の中に在る目に見えない何かの「すみか」をテーマに撮影を続ける。(公社)日本写真家協会会員。日本風景写真家協会会員。ソニーαアカデミー講師。
目次
待ちに待ったソニーα7R Ⅴの発売
2022年11月25日にSONY(ソニー)α7RⅤが発売されたのはソニーユーザーのみならずカメラ好きなら記憶に新しいでしょう。私も早速、発売日に手に入れ、以降新しい相棒として活躍してくれています。α7 Ⅱ以来、長らくαを使用してきた筆者がなぜ本機をそんなに待ちわびていたのか?同じ6100万画素のα7R Ⅳとの比較を中心に、風景写真家として感じた進化のポイントをお伝えしてまいりましょう。
イチオシ!4軸マルチアングル液晶モニター
α7R Ⅳからの変更で最も気に入った点です。液晶モニターに関しては必ずと言ってよいほど「チルト派」と「バリアングル派」に分かれるのですが、本機ではその両方の使い方ができます。ちなみに筆者は縦位置でもローアングル撮影がやりやすい「バリアングル派」です。ゆえにバリアングル液晶搭載のα7 Ⅳが昨年末に発売されて以来、高画素が必要でない時にはそちらを使っていました。
しかし風景撮影では三脚使用の機会が多く、L字型のプレートを装着すると、横位置でのローアングル撮影時にプレートが干渉してしまいます。それを防ぐために切れ込みの入ったプレートを使うものの、液晶モニターの可動範囲が制限され自由度が減ってしまいます。やはりこれでは使いにくく、一長一短あるように感じていました。それを本機の液晶モニターが一気に解決してくれたわけですからハッキリ言ってこれだけでも買う価値があったと非常に気に入っています。液晶のドット数はα7R Ⅳより微減ですが、見え方で気になることはありませんでした。
チルトの使い方とバリアングルの使い方。どちらでも可能な4軸マルチアングル液晶モニター。L字型のプレートと干渉せずに使えます。
縦位置での作例
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS・189mmで撮影・絞り優先モード(絞りF5.6・1/200秒)・+0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター使用[奈良県奈良市]
横位置での作例
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS・244mmで撮影・絞り優先モード(絞りF9.5・1/125秒)・+1EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター使用[奈良県奈良市]
冷え込んだ朝、霜のついた穴あきの枯れ葉が顔のように見えました。縦位置、横位置を問わず、三脚でも手持ちでも自由自在にローアングル撮影ができます。
暗所AF、被写体認識AFなど、大幅に向上したAF性能
AF性能の進化は大きく分けて3つ。α7R Ⅳと比べ、暗所でのAFに強くなったこと(―4.0EVまで対応、α7R Ⅳはー3.0EV)。像面位相差AFエリアが広がり測距点の数が増えたこと。そしてやはり一番の目玉は画像処理エンジンとは別に新開発のAIプロセッシングユニットが搭載されたことでしょう。
AIプロセッシングユニットを搭載した次世代のAFシステム。
風景撮影ではそれほどまでにAF性能が問われることは少なく、特にAF-Sやダイレクトマニュアルフォーカス使用時ではAFに進化を感じることは少ないのですが、AF-Cでの被写体認識AFと追従性能は大幅にアップしていると実感できます。また被写体認識AF(動物瞳AF)とリアルタイムトラッキングが併用できるようになりました。風景撮影でも昆虫や動物を取り入れた撮影は案外多く、AF性能アップは心強いですね。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/350秒)・-1EV補正・ISO1600・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
筆者は奈良県在住なので奈良公園の鹿を撮影することが多く、動物の認識性能のアップは嬉しい限りです。ソニー公式には犬や猫のような顔立ちの動物となっており鹿には非対応なのですが、小さめに鹿を扱ったにも関わらずAFフレームは瞳を捉えてくれました。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・189mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/1000秒)・ISO800・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
激しく争う雄鹿。こんな時でも瞳をしっかり追従してくれますのでフレーミングに集中できます。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・74mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/350秒)・+0.5EV補正・ISO1600・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
紅葉を多く取り入れて鹿をさらに小さめに扱いました。このようなケースでは動物の体全体を捕捉してくれます。
動物をあまりに小さく扱った場合、ピントが後ろに抜けてしまうこともあるのでやや注意が必要ですが、犬や猫ならそのようなこともないのかもしれません。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 1.4×テレコンバーター・280mm(35mm判換算420mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF4・1/750秒)・ISO1600・WB太陽光・RAW+JPEG[神奈川県秦野市]
普段、鳥は撮らない筆者ですが、カメラを向けるだけで面白いようにAFフレームが認識してくれます。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS・400mmで撮影・絞り優先モード(絞りF5.6・1/350秒)・+0.5EV補正・ISO3200・WB太陽光・RAW+JPEG[奈良県橿原市]
せっかくなので昆虫も試してみました。このくらい大きく捉えれば全体ではなく、目を認識してピントを合わせてくれます。被写体がとまっている場合は、ほぼ確実と言っても良いでしょう。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS・367mm(35mm判換算550mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF5.6・1/6000秒)・-1EV補正・ISO800・WB太陽光・RAW+JPEG[奈良県橿原市]
シルエット描写でもしっかりと全体を認識してくれました。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS・400mmで撮影・絞り優先モード(絞りF5.6・1/750秒)・+0.5EV補正・ISO6400・WB太陽光・RAW+JPEG[奈良県橿原市]
不規則に飛ぶ蝶はそもそも画角内にきちんとフレーミングしながら追いかけるのが難しいのですが、フォーカスをカメラに任せてしまうことで、より被写体に集中できます。さすがに近距離ではピントを外すシーンも見受けられましたが結果としては満足できるものでした。
一気に不満点解消!α史上最高の手ブレ補正機能
従来、αシリーズはボディ内手ブレ補正がやや弱いと言われることが多く、私自身も時折不満を感じることがありましたが、公称値で補正効果8段分と大きく改善。厳密に8段分かどうかを検証したわけではありませんが、確実に性能アップを感じました。また、一部の手ブレ補正内蔵レンズとの組み合わせによるボディとの協調制御にも対応、フレーミングの安定を実感することができました。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 1.4Xテレコンバーター・280mm(35mm判換算420mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF4・1/10秒)・+0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県高取町]
APSモード(35mm判換算420mm)超望遠域での撮影ですが1/10秒でも手ブレを起こしていません。もちろん数カット撮った中に、ブレているものも混ざってはいるものの歩留まりの良さを感じました。
画素数は同様ながら、さらに高められた解像感にビックリ
本機を使い始める前は、正直、画質の向上に関しては期待していませんでした。なぜなら画質的にはα7R Ⅳで十二分だと感じていましたし、画素数も同じ6100万画素。しかしながら、いざ使い始めてみると高められた解像感に驚く結果となりました。
さらに電子ビューファインダーもα7R Ⅳの画素数576万ドット・倍率0.78倍から944万ドット・倍率0.9倍と大きな進化を遂げており、その気持ちの良いファインダーで撮影していると写真が上手くなったような気分になってしまう程。拡大してのMFや撮影画像のピントやブレのチェックなども格段に行いやすくなりました。
常用感度ISO100〜32000。高感度性能についてはもともと優秀だったα7R Ⅳと比べ、そう変わらない印象を受け、この点はやはりα7 Ⅳなど、画素数を抑えたモデルにはかなわないと感じました。αシリーズの売りであるダイナミックレンジの広さはもちろん本機にも継承されています。
【撮影データ】ソニー α7RⅤ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・156mmで撮影・絞り優先モード(絞りF16・0”7秒)・-1EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[神奈川県秦野市]
キノコの裏側のヒダまで細かく描かれており、その描写はゾクッとするほど。Gマスターレンズがさらに解像感を引き出してくれます。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・77mmで撮影・絞り優先モード(絞りF11・1/90秒)・-0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[神奈川県秦野市]
形の良い枝ぶりにカメラを向けていると、たった1枚の葉に光が差しました。かなり小さく扱っていますが、ハッキリと葉脈まで写し切っています。見事な質感描写と解像感です。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/200秒)・-0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[神奈川県秦野市]
より高められた解像性能のおかげでピントの合っている葉がしっかりと主張、対比する水面の描写がより柔らかく感じられます。シャープさと柔らかさの相乗効果がお互いを引き立てています。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・200mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・0”5秒)・-1EV補正・ISO800・WB太陽光・RAW+JPEG[神奈川県秦野市]
背景が暗く落ちる場所を選び、ハート形の葉がネックレスのように並ぶ様子を狙いました。豊かな階調性能のおかげで繊細な光を描くことができました。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・134mmで撮影・絞り優先モード(絞りF5.6・1/10秒)・+1EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[東京都青梅市]
EVF(電子ビューファインダー)がドット数、倍率ともにスペックアップしています。水たまりに映る木にMFでピントを合わせていますが、視認性が高まっていることを実感します。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・70mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/350秒)・+2.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
枯れ草に引っ掛かった、落ち葉が紅一点。葉の手前に枯れ草が被っているのでMFでピント合わせをしています。
ややハイキー調の露出としていますが、ハイライトの階調がしっかりと残っています。
ISO2500で撮影
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・155mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/1000秒)・-1EV補正・ISO2500・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[東京都青梅市]
ISO6400で撮影
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II・155mmで撮影・絞り優先モード(絞りF2.8・1/1500秒)・-0.5EV補正・ISO6400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[東京都青梅市]
水面に打ち付ける水しぶきと落葉を捉えました。明るさの変化により上下の写真でISOを変えています。上の写真はISOが2500。ノイズ感も少なく優秀です。下の写真はISOを6400に設定。シャドー部にややノイズ感を感じますが、十分使える画質です。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 24-105mm F4 G OSS・28mmで撮影・絞り優先モード(絞りF16・1/60秒)・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
霜の降りたチカラシバ。輝度差の大きな状況ですがシャドーからハイライトまで豊かな階調性能が感じられます。高い解像感で、ブラシのような穂のひとつひとつまでを描き切っています。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 24-70mm F2.8 GM II・34mmで撮影・絞り優先モード(絞りF8・1/20秒)・-0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県高取町]
霧の立ち込める中、紅葉越しにうっすらと向こう斜面の山が姿を現しました。手前側が暗いため現像処理で少し明るくしていますが、豊かなダイナミックレンジによって肉眼に近い印象で描くことができました。シャドー部にノイズ感も感じられません。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 35mm F1.8・絞り優先モード(絞りF1.8・1/500秒)・+1EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県奈良市]
こちらも輝度差の大きな状況。さざんかの赤色をしっかりと表現しつつ、背景のハイライトまで階調描写ができています。
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 20mm F1.8 G・絞り優先モード(絞りF1.8・1/750秒)・-0.5EV補正・ISO400・WB太陽光・RAW+JPEG[神奈川県秦野市]
フレアを入れて少し遊んでみました。シャドー部からハイライトまで階調のつながりのスムーズさを感じます。
操作系の洗練とレスポンスのアップ
α7 Ⅳに続き、カメラの右肩部分にあった露出補正ダイヤルから刻印がなくなり、露出補正以外の機能が割り当てられるようになったことは大歓迎。そもそも筆者は露出補正のステップ幅を0.5段にしているので従来の露出補正ダイヤルは全く使えず無用の長物でした。ロックスイッチが装備されていることからISO感度に割り当てて使っていますが、直感的に変更ができるので大変気に入っています。なお露出補正は後ダイヤルに割り当てて使っています。
それから録画ボタンとC1ボタンの位置が入れ替わりました。α7R Ⅳでは録画ボタンにカスタムキーの割り当てができなかったのですが、すべてのボタンで可能となり、1つ分多くカスタムキーが使えるようになりました。そして2段式になったモードダイヤルは動画ユーザーにも使いやすく、歓迎されるでしょう。
露出補正値の刻印が無くなったカメラ右肩のダイヤルと2段式になったモードダイヤル
それからBIONS X→BIONS XRに画像処理エンジンがアップデートされ、電源を入れてからの起動や各操作時の反応が早くなったことは嬉しい限りです。メニュー画面も大きく変更され、α1やα7S Ⅲ、α7 Ⅳと同様になりました。階層ごとに整理されたメニュー構造は従来からのBIONS X搭載モデルよりも使いやすいと感じました。
連写のコマ数は秒間10コマとα7R Ⅳから変わりませんが、バッファが大きく強化され連写時のスピードダウンまでの限界枚数が大きく増えました。風景撮影においてはUHS-ⅡタイプのSDカードでも十分だと感じましたが、メモリーカードスロット2つのうち、スロット1はマルチスロットとなっており、SDカードの他に書き込み速度の速いCFexpress Type Aにも対応しているので、連写を多用する方はCFexpress Type Aを使用すると良いでしょう。どちらを使うようにせよ、その両方が使えるのは従来SDカードを使ってきたユーザーにとっても嬉しいポイントです。
その他─α7R Ⅳとの比較─
・クリエイティブスタイル→クリエイティブルックと名称が変わり、彩度やコントラスト、シャープネス、明瞭度など、より細かな設定ができるようになりました。
・レンズ交換時にセンサーがむき出しにならないよう電源オフ時にシャッターを閉じる機能が追加されました。風景撮影では風や雨の中でもレンズ交換をすることが多いため安心感につながりますね。
電源オフでシャッターが閉じた様子。
・バッテリー満充電時の撮影可能枚数はα7R Ⅳ比で約17%、90枚ほど少なくなっており、撮影しながらでも減りの早さをやや感じました。これはAIプロセッシングユニットによるものだと推測されますので仕方のないところでしょう。今まで予備バッテリーを1つしか持っていなかった方はもう1つ用意しておくことをおすすめします。
・バルブタイマーが本機より新しく搭載されました。またタイマーを設定していない時でもバルブ露光中は露光時間が液晶モニターに表示されるようになったことも嬉しい改良点です。これでバルブ撮影中、時計を見る必要が無くなりました。
・風景撮影では、どこで撮影したか後からわかる方が便利です。αシリーズにはスマートフォンと連携して撮影画像にGPSの座標情報をつける機能が備わっているのですが、α7 Ⅳ以前の機種ではBluetoothリモコンとの併用ができませんでした。もし位置情報をつけたい場合は有線のリモコンを使うか赤外線リモコンを使うしかなかったのですが、本機ではBluetoothリモコンを使っている時でも座標データを付与することができるようになったことも個人的に大きなポイントです。
最後に ─なぜ高画素機を使うのか?─
高画素のメリットはもちろん、細かい改良がなされた完成度の高さを体感
一見すると6100万画素という大きな画素数は不要に見えるかもしれません。筆者の場合は仕事上、大きなポスターに使用したり、1メートルを超えるような大きなプリントに伸ばしたりする機会もありますが、そのようなケースは一般的にはそう多くはないでしょう。しかし、大伸ばし以外でも、望遠側が足りない時や最短撮影距離まで近づき、さらに被写体を大きく撮りたい時など、APS-Cモードを使っても約2600万画素という十二分な画素数で記録することができるのは高画素機のメリットのひとつです。
2022年11月25日の発売以来、1ヵ月弱の間、本機を使ってみて思ったことは、やはり最新のカメラだけあり、かゆいところにも手が届くような細かな改良がなされているということ。ただ単に高画素機だからというだけで敬遠するのはもったいないのでは?と感じるほどの完成度を体感しました。
確かに高画素になるとパソコンの買い替えが必要な方もいるでしょうから無責任におすすめはできないのかもしれませんが、本機にはロスレス圧縮RAW撮影時にMサイズ(約2600万画素)、Sサイズ(約1500万画素)が選べるようになっていますので2600万画素の高性能カメラを使うつもりで購入を検討するのも有りではないでしょうか?
【撮影データ】ソニー α7R Ⅴ・FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 1.4X テレコンバーター・280mm(35mm判換算420mm)で撮影・絞り優先モード(絞りF4・1/350秒)・-0.5EV補正・ISO800・WB太陽光・RAW+JPEG・CPLフィルター[奈良県高取町]
葉先につく水滴が涙のように見えました。APS-Cモードでも実用的な画素数を保てるのも高画素機の魅力のひとつです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回、使用したカメラ、レンズ
ソニーα7R Ⅴ[ILCE-7RM5]
発売=2022年11月25日 詳しくはこちら
ソニーFE 20mm F1.8 G[SEL20F18G]
発売=2020年3月13日 詳しくはこちら
ソニーFE 35mm F1.8[SEL35F18F]
発売=2019年8月30日 詳しくはこちら
ソニーFE 24-70mm F2.8 GM II [SEL2470GM2]
発売=2022年6月10日 詳しくはこちら
ソニーFE 24-105mm F4 G OSS [SEL24105G]
発売=2017年11月25日 詳しくはこちら
ソニーFE 70-200mm F2.8 GM OSS II [SEL70200GM2]
発売=2021年11月26日 詳しくはこちら
ソニーFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS[SEL100400GM]
発売=2017年7月28日 詳しくはこちら
ソニー 1.4X テレコンバーター[SEL14TC]
発売=2016年10月28日 詳しくはこちら