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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! 第二弾! フォトグラファー 戸塚 学 × 野鳥撮影

写真・文:戸塚 学/編集:合同会社PCT

戸塚 学の「今冬、ミラーレス一眼で野鳥撮影を楽しむ」

地元である愛知県を拠点に、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることを究極の目標にかかげ、日本各地の野鳥を撮り続けるネイチャー系写真家、戸塚 学氏さんによる野鳥撮影のハウツー記事をお届けします。今回は特に最新ミラーレス一眼を使った撮影術を中心にご指南いただこう。

戸塚 学(とづか・がく)
1966年、愛知県生まれ。野鳥を中心に生き物の「きれい・かわいい・かっこいい」写真だけでなく生来の天邪鬼な性格から「人間臭さ」を感じられる変な野鳥写真を得意とする。究極は臭いのする写真を目指す。最新刊は偕成社『お山のライチョウ』。

目次

はじめに冬は野鳥撮影を始めるベストシーズン!

野鳥撮影はたくさんあるジャンルの中でもたぶん一番難しいジャンルだと思います。理由は簡単、野鳥には近づけないから。そして空を飛ぶので逃げられたら追うのが大変。そんな難しい野鳥写真がばっちり撮れたらうれしいので、ハマる人が多いのも確か。

また、冬は野鳥撮影を始めるのにベストシーズン!
野鳥撮影をやってみたいけれど… 「敷居が高い」と考えられている方にはこの冬、野鳥撮影にチャレンジしてはいかがでしょうか?
5月にバードウィークがあるから初夏がシーズンだと感じるかもしれませんが、じつはその頃は野鳥たちにとって子育てが大忙しだし木々の葉が茂りだすので、じつは撮影する前に野鳥を見つけるのが大変な季節なんです。
それに比べて冬は木々が葉を落とし見通しが良くなるので、鳥たちを見つけやすくなり、撮影にはぴったりなんです。

カツオドリ
【撮影データ】キヤノンEOS R3・RF 800mm F11 IS STM・Fvモード・1/4000秒・絞りF11・ISO1000・WB太陽光・サーボAF・測距エリア:全域AF(瞳AF)・AFトラッキングON

上空を飛びながら猛スピードで海にダイビングするカツオドリ。AFトラッキングは動きを追い続けるが、私がついて行けないのが悲しい。海面から飛び出す瞬間もう1羽がエサを奪おうとする瞬間だが、すでに魚は飲み込まれていた。軽くて取り回しが楽なレンズだからこんなシーンに対応ができた。

ノスリ
【撮影データ】キヤノンEOS R3・RF 800mm F11 IS STM・Fvモード・1/200秒・絞りF11・ISO1000・WB太陽光・サーボAF・測距エリア:領域拡大AF上下左右

交通標識にとまるノスリをバックに、色づいた銀杏を何とか入れて車を停めた。雨が降っていて暗いので絞りF11の暗さはツラいものがあるが、手ブレ補正がしっかり効いていることとレンズが軽いので、車の窓から1/200秒でも写しとめることができた。

野鳥撮影にはどんな機材が必要なの? 【カメラ編】レンズ交換式のミラーレス機がオススメ。
野鳥を大きく撮影できるAPS-C機やマイクロフォーサーズ機が有利

どのカメラがいいかが悩ましいですが、レンズ交換式のミラーレス機がお薦めです。理由としては軽量なので扱いやすい+必要に応じてレンズ交換が可能だからです。
ミラーレス機は露出シミュレーションと言って、ファインダーの明るさをそのまま作品に反映できる機能がついているので悩ましい「露出ミス」をする心配がありません。

また、野鳥撮影のカメラ選びで、重要なのは、カメラのセンサーサイズです。センサーサイズの違いは出来上がる写真に写る野鳥の大きさに違いが出ます。
フルサイズを1とするとAPS-Cは1.6(1.5)倍、マイクロフォーサーズは2倍。

たとえばフルサイズで500㎜ならAPS-Cは800㎜相当、マイクロフォーサーズは1000㎜相当になります。以上のことから近づくことが難しい野鳥にはAPS-Cかマイクロフォーサーズが向いていると言えます。野鳥は私たち人間を恐がり警戒をするので、フルサイズよりも被写体を大きく撮影できるからです。
すでに作例を見ていただいたとおり、私はキヤノン使いなので、主にフルサイズ機のEOS R5とAPS-C機のEOS R7を各シーンで使い分けています。

こんなにも大きさが違う!? センサーサイズ

35㎜フルサイズはセンサーサイズが、横36㎜×縦24㎜
APS-Cサイズはセンサーサイズが、横22.4㎜×縦15㎜
マイクロフォーサーズはセンサーサイズが、横17.3㎜×縦13㎜

ゴジュウカラをフルサイズで撮影

ゴジュウカラをAPS-Cサイズにクロップして撮影

上の2枚の写真を見ていただければ、フルサイズに比べてAPS-Cのほうが、被写体を大きく写せるのは明らか。

【撮影データ】(共通)キヤノンEOS R5・EF 500mm F4 L IS USM+EF2×Ⅲ・マウントアダプター EF-EOS R・Fvモード・1/640秒・絞りF8・ISO1600・WBオート・測距エリア:スポット1点AF

秋に渡りの移動中にしばし滞在するムギマキという小鳥を待っているとゴジュウカラが現れた。すばしっこいので全域AF(瞳AF)だと周囲の枝や葉にピントが取られるので、スポット1点AFに切り替えて撮影することができた。

戸塚学さん愛用の撮影機材。キヤノンEOS R7にマウントアダプター EF-EOS Rを介してEF 500mm F4 L IS USMを装着。

キヤノンEOS R5 詳細はこちら

キヤノンEOS R7 詳細はこちら

OMデジタルソリューションズOM SYSTEM OM-1 詳細はこちら
野鳥撮影に人気が高いマイクロフォーサーズ機。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISやM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROといった望遠系レンズとの組み合わせで愛用する人が多い。

野鳥撮影にはどんな機材が必要なの? 【レンズ編】最低500mmのズームレンズは欲しい!

次に交換レンズ選びですが、レンズは基本的には最低500㎜は欲しい。理由は先に書いたように、野鳥は近づくことが難しいからです。
必要に応じてテレコンバーター(エクステンダー)を合わせることで、より超望遠の撮影が可能になりますので準備をされた方がいいでしょう。

私が現在メインで使っているカメラはCanon(キヤノン) EOS R7。センサーサイズがAPS-Cなので1.6倍になり、野鳥を大きく撮ることができます。EOS R7をスターターセットとして選ぶのならレンズはRF100-400㎜ F5.6-8 IS USM・RF800mm F11 IS STM、この2本がいいでしょう。
遠くて近づけない鳥でも800㎜なら1280㎜相当になるので鳥が大きくなりすぎてフレームからはみ出すかもしれない(笑)。鳥が近くに来る場合や、広く風景的に撮りたい場合にはズーミングで画角を自由に変えられる100-400mmはとても便利です。野鳥撮影だけに特化すればこの2本で十分楽しむことができるでしょう。そして何よりこのカメラとレンズのセットはとても軽い!この軽いということでフットワークよく撮影ができまるので、きっと想像していない写真が撮れるでしょう!

キヤノンRF100-400mm F5.6-8 IS USM 詳細はこちら

キヤノンRF800mm F11 IS STM 詳細はこちら

コミミズク
【撮影データ】キヤノンEOS R3・EF 500mm F4 L IS USM+EF1.4×Ⅲ・マウントアダプター EF-EOS R ・1.6倍クロップ・Fvモード・1/1000秒・絞りF5.6・ISO640・WB曇り・測距エリア:領域拡大全域AF(瞳AF)

荒れ地を飛翔するコミミズクを狙うが、周囲は人工物が多くて、できればそれらを避けたい。そこで500mmに×1.4のエクステンダーをつけて700㎜にするが… 思い切って1.6倍クロップにして1120mmで狙う。画角が狭いのでフレームに入れるだけでも一苦労。それでも直線的に飛ぶ一瞬を秒間30コマの電子シャッターで写しとめることができた!

戸塚さんが多用するFvモードとは…

キヤノンEOS Rで初搭載された露出モードの新機軸。①「シャッタースピード」 ②「絞り数値」 ③「ISO感度」①②③それぞれの「オート(自動設定)」と「任意設定」、および「④露出補正」を自由に組み合わせて撮影することができる。①②③④を任意にコントロールすることで、モード1つでの4つのモードに相当する撮影を行うことができます。



ここからは各シーンに対応できる撮影テクニックについて説明をしてゆきますね。

野鳥撮影テクニック①:水鳥瞳AFを駆使して、順光できれいな体色を表現しよう!

カモのオスは光の当たり具合で色が違って見られるので、できるだけ順光で狙ってみましょう!すっきりとした水面ではフレームの中のカモの目にピントを合わせ続けてくれる便利な「瞳AF」というAFがあるので、それで撮ると「自分はプロになったか?」と錯覚するかもしれません(笑)

ツクシガモ
【撮影データ】キヤノンEOS R5・EF 500mm F4 L IS USM+EF2×Ⅲ・マウントアダプター EF-EOS R・1.6倍クロップ・Fvモード・1/1000秒・絞りF8・ISO250・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

干潟で泥の表面の餌を食べるツクシガモ。冬の九州の海岸にたくさん飛来するが、関西以北では珍しい。大型で美しい配色のこのカモは、やはり順光できれいな体色を表現したい。

マガモ
【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM+RF2×・Fvモード・1/1000秒・
絞りF14・ISO640・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

カモのオスはメスに比べて色鮮やかな種類が多く、見間違えることはないのでぜひとも撮影をしたい。ただしメタリックな羽は光の当たり具合で黒くつぶれたり、きれいに見えないこともあるので、きれいに撮りたければ順光で撮りたい。時間帯的には11時~14時頃はトップライト気味になるのでその他の時間がオススメだ。

野鳥撮影テクニック②:地面にいる鳥瞳AFと狭角の測距エリアを切り替えながら、高速シャッター+サーボAFで狙う!

カモのいる池の周辺の芝地や草地にスマートな尾の長い鳥がいれば、ハクセキレイかセグロセキレイでしょう。地面をつつきながらエサを探してちょこまか走り回っているせわしない鳥です。セキレイなど地面を歩く鳥にも瞳AFと言って鳥の目にピントを合わせるAF機能があるカメラではこれにセットしましょう。しかし手前に草などが生えていると草にピントが取られてしまい、鳥にピントが来ない危険性があります。そんな時は瞳AFから測距エリアの狭いものに切り替えれば、より鳥にピントを合わせてくれるでしょう。この時は必ず高速シャッター+サーボAF(動きを追従するモード)にすることが重要。ワンショットAFではせわしなく歩き回るセキレイの動きを追従してくれないので、シャッターを切った時にはピントがずれていたり、狙った場所にいなかったりします。

ハクセキレイ
【撮影データ】キヤノンEOS R・EF 500mm F4 L IS USM+EF1.4×Ⅲ・マウントアダプター EF-EOS R・Fvモード・1/1250秒・絞りF5.6・ISO800・WB太陽光・測距エリア:領域拡大AF上下左右

以前は地面を走る、歩く野鳥はとても撮りにくかった。理由は手前の草などがあるとピントが取られてしまうからだ。現在は瞳AFでかなり対応できるが、前述の通り、そんな時は狭いAFエリアで追い続けることができれば、ピントが合った写真を撮ることができる。この時は領域拡大AF上下左右で狙ってみた。

EOS R5の「測距エリア選択モード」

野鳥撮影テクニック③:木に止まっている鳥1点AFやスポットAFを活用し、高速シャッター+サーボAFで狙う!

木の実や花の咲いた木には鳥たちがエサを食べにやってきます。狙いとしては花や枝で込み合った場所ではせっかくの鳥の姿が花や枝で隠れてしまいます。慌ててシャッターを切るより、まずは観察。どこによくとまるのか?どんな行動するのか?などを観察しているとわかるようになります。
狙いとしては枝先で、周りのすっきりした場所やエサの木の実をくわえる瞬間など。
赤や黄色のきれいな色の木の実なら一緒にフレームに入れたいです。
桜や梅の花に蜜を舐めに来るメジロやヒヨドリなどはとにかく花に隠れてしまうことが多く、撮影のコツとしては瞳AFやAFエリアが広いものは花や枝にピントを持って行かれるので1点AFやスポット1点AFなど狭いエリアでピントを合わせられるモードが向いています。こういう場合も高速シャッター+サーボAF(動きを追従するモード)にしておきましょう。

エゾフクロウ
【撮影データ】キヤノンEOS R7・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM・Fvモード・1/60秒・絞りF10・ISO800・WBオート・測距エリア:スポット1点AF

エゾフクロウのヒナが気持ちよさそうに木の枝で眠っていた。瞳AFで狙ってもいいが手前の枝や葉が邪魔になることも考えれば、はじめからスポット1点AFで狙った方がストレスなく撮影ができる。

キヤノンEOS R7・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

カワラヒワ
【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM・1.6倍クロップ・Fvモード・1/1000秒・絞りF11・ISO640・WB太陽光・測距エリア:1点AF

たわわに実ったナンキンハゼの実を食べにカワラヒワの群れが集まっていた。青空に白い実はじつに「映える」が、瞳AFだとそちらにピントが取られやすい。そこで実に紛れながらも1点AFで狙ってみる。できるだけすっきりする場所で撮影できる場所を探して撮影した。

野鳥撮影テクニック④:空を飛ぶタカ旋回飛翔時がチャンス!広範囲AFで狙い、場合によっては置きピンも有効

公園では木が邪魔で空を飛んでいるタカを撮るのが難しい。それでもタカが撮りたい!という場合は広い川の河口、できれば葦原が広がり周辺に立木があるような場所で、周囲から少し高台になった場所があればベストだ。そんな場所が見つかれば待ってみよう。 出現するタカの種類はオオタカ、ノスリ、チュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウなどが見られるでしょう。水平に飛ぶタカは難易度が高いですが、上空でエサを探しながら旋回飛翔する姿は難易度が下がります。こういうシーンでは瞳AFかゾーンAFなど広い範囲でAFが作動するものがいいでしょう。この時も高速シャッター+サーボAF(動きを追従するモード)にすること。
コツとしてはレンズの鏡筒にある撮影距離範囲切り換えスイッチをFULLではなく、できるだけ遠距離~無限遠(∞)のものに換えておくとファインダーで追っている時にタカをフレームから外した場合でも再捕捉がしやすくなります。
何のことかと言えば最短~無限遠(∞)にしておくとピントが外れた場合、最短距離まで探しに行くが、例えば5m~無限遠(∞)にしてあれば5mより近い場所へピントを探しに行かない分、再捕捉が速くなるということ。
そしてもう一つ。タカをよく発見する場所があれば、あらかじめそこにピントを合わせて(置きピン)をすることをお勧めする。そうしておけばすぐにファインダーにも入れやすいし、入れてしまえば今のカメラのAFはピントを合わせ続けてくれる!

ハチクマ
【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 800mm F11 IS STM・1.6倍クロップ・Fvモード・1/4000秒・絞りF11・ISO2500・WB太陽光・サーボAF・測距エリア:全域AF(瞳AF)

ブラインドの中でハチクマが巣から飛び出し飛翔する姿を狙う。だいたい同じルートを飛ぶことが多いので、コース上でよく発見する尾根上の木に置きピンをしておくとかなり狭い画角でも素早くフレームに入れやすい。

野鳥撮影テクニック⑤:空をゆっくり飛ぶ鳥トビは練習にピッタリ。順光の青空バックなら、
AFがしっかりと目にピントを合わせてくれる

タカの仲間のトビは練習にはぴったりです。比較的見つけやすいこともありますが、大型の鳥なのでファインダーに入れやすい。
①カメラの設定は瞳AFもしくはゾーンAFなど被写体を面で捉えるAFエリア
②シャッター速度は1/2000秒ぐらいでOK。
③空バックならメカシャッターでも電子シャッターどちらでもOK。高速連写にした場合、必要以上にたくさん同じ写真を撮ることになります。しかし空中での喧嘩などでは電子シャッターならコマ落ちなく撮れます。

トビ
【撮影データ】キヤノンEOS R6・RF 800mm F11 IS STM・Fvモード・1/2000秒・絞りF11・ISO1000・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

飛翔する鳥の撮影は「難しいんだろうなぁ」と思うだろう。確かに小鳥の飛翔などは難しいが、トビなどはゆっくりと飛翔しているし体長が大きいので撮りやすい。練習台にはぴったり。順光の青空ならきれいでAFがしっかりと目にピントを合わせてくれる。

キヤノンEOS R6・RF 800mm F11 IS STM

野鳥撮影テクニック⑥:飛翔する群れ群れが入る水辺や通過コースを把握して、
遠目で発見したらファインダーに入れて連写!

ガン・カモ・ツル・ハクチョウは群れで飛翔することが多く、直線的に飛ぶので比較的見つければ撮影は難しくない。群れが入る水辺や通過するコースがわかればそこで待てばいい。あとは遠目で見つけたらファインダーに入れて連写をすればいい。

①カメラの設定はゾーンAFがいい。瞳AFだとはじめにファインダーの端の個体を捉えると追い続けてしまうからです。群れは基本真ん中手前の個体にピントが合うと全体的にピントが合っている印象になります。
②シャッター速度は1/2000秒ぐらいでだいたい翼の動きは止まる。
③連写をしながら慣れてくると群れのかたちを冷静に見られるようになるのでやみくもにシャッターを切らず、いい形になった時に切るといい。
④機種によっては電子シャッターではローリングシャッター歪みが発生する場合があるので、その場合はメカシャッターか電子先幕シャッターにしましょう。

ハクガン
【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 800mm F11 IS STM・1.6倍クロップ・Fvモード・1/2000秒・絞りF11・ISO1600・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

こちらに向かって来る白い鳥がいる? ハクガンの群れだ!車から出たのでは間に合わないので、道路の脇に車を停めて窓から狙う。800mmというのに軽くて取り回しの楽なレンズなので撮影することができた。

スズガモ
【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM・1.6倍クロップ・Fvモード・1/1000秒・絞りF7.1・ISO200・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

水平線から朝陽が上がりだした。するとどうだろう、ダルマになった!信じられないことにその太陽を横切るようにスズガモの群れが通過した。高速連写をした中から群れのかたちがいいものを選んだ。

野鳥撮影テクニック⑦:斜面やバックのある場所を飛ぶ野鳥最も撮影難易度が高いシチュエーション。AF-ONボタン、
シャッターボタン数回押下してピントの掴み直しにチャレンジ

今まで説明した中では一番難易度が高いのが斜面バックの場合です。理由はバックにピントが取られて野鳥にピントが来ないことが多くあるからです。コツとしてはまず空バックでピントを合わせてあとはそのまま追い続ける。斜面に入ってピントが抜けてしまった場合、AF-ONボタンかシャッターボタンを数回押すことでピントを掴みなおすことができるのでチャレンジしてみましょう。渡りの時などはよく発見する場所がわかればその周辺に「置きピン」しておくことでファインダーの中に捉えやすくなる。

①カメラの設定は瞳AFもしくはゾーンAFなど被写体を面で捉えるAFエリア
②被写体ブレ&手ブレを防ぎたいのでシャッター速度は1/2000秒以上で。
③理由がなければ近くには来ないのでレンズの距離計はFULLから外しておく。
④空バックで捉えてあとはサーボAF+瞳AFで追い続ける。
⑤斜面にピントをとられたらAF-ONボタンか、シャッターボタンを数回押すことでピントを掴みなおすこともある。*シャッターボタンは半押し

ハチクマ
【撮影データ】キヤノンEOS R7・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM・Mモード・1/2000秒・絞りF10・ISO1600・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

長野県白樺峠はタカ渡りのメッカだ。特にハチクマが多く渡るので人気が高い場所だ。ここでの撮影のコツは写真に写っている山の上に出たタカを見つけて追いながら撮影することになる。なので常に山の稜線にピントを合わせる「置きピン」をしておけば初動が速くなる。

コミミズク
【撮影データ】キヤノンEOS R3・EF 500mm F4 L IS USM+EF1.4×Ⅲ・マウントアダプター EF-EOS R・1.6倍クロップ・Fvモード・1/1000秒・絞りF5.6・ISO20000・WB曇り・測距エリア:領域拡大全域AF(瞳AF)

コミミズクの体色は茶色ベースなので飛翔する姿は背景に溶け込み、優秀なAFでもなかなかピント合わせが難しくなる。しかし観察しているとよく飛ぶコースがわかるので「ここ」と決めたところに「置きピン」しておけばフレームに入れやすい。フレームに入れてピントが合えば、あとは瞳AFを信じて連写をすればいい。

ミラーレス一眼での野鳥撮影のコツをざっと書いてみましたが、いかがだったでしょうか? 少しでも野鳥撮影を楽しむことの一助になれば幸いです。

「カメラの大林」編集部厳選!「戸塚 学×野鳥フォトライブラリー」をお届けします!

コシアカツバメ
EOS R7を初めて使った時にキヤノンの機種で「ローリングシャッター歪み」を実感。使えないと思えたが、翼の動きが速い時は電子シャッターを使わなければいいだけで、要はカメラの得手不得手を理解すればいいだけだ。

[撮影データ]キヤノンEOS R7・RF 100-500mm F5.6-8 L IS USM・Fvモード・1/2000秒・絞りF8・ISO4000・WBオート・測距エリア:全域AF(瞳AF)

ササゴイ
川の浅瀬で、ササゴイがオイカワを狙う。そのササゴイを私が狙う。距離的にはかなり離れているので、立って撮影してもいいのだが、やはりササゴイの目線に近い位置で撮りたくて川に入るギリギリの場所で座って撮影をした。

【撮影データ】キヤノンEOS R7・RF 800mm F11 IS STM・Mモード・1/1600秒・絞りF11・ISO2000・WB太陽光・サーボAF・測距エリア:全域AF(瞳AF)・AFトラッキングON

オシドリ
カモ類は水浴びを入念にした後に、身体についた余分な水分を身体から弾き飛ばすために翼を羽ばたかせる行動をする。なかなかダイナミックで撮りたいシーンだ。トップライトに近い光はオシドリの白い身体を浮き立たせてくれた。

【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM+RF1.4×・1.6倍クロップ・Fvモード・1/2000秒・絞りF10・ISO640・WB太陽光・測距エリア:全域AF(瞳AF)

ダイサギ
小雨が降る中、採餌するダイサギを撮影。そわそわし出したので飛ぶかなと思い、向かい風方向に飛ぶことを予想して飛び立ちから高速連写で狙う。

【撮影データ】キヤノンEOS R5・RF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM・Fvモード・1/1000秒・絞りF7.1・ISO640・WBオート・測距エリア:全域AF(瞳AF)

ライチョウ
立って撮影をすればライチョウのバックは雪面になってしまう。座って撮ってもバックの山並みは途中までしか入らない。そこで寝転がって超ローアングルにすることで山並みを入れて撮影することができる。無理に近づけば嫌がって逃げるが、静かに待っていると近くまで来ることもある。

【撮影データ】キヤノンEOS R5・EF 16-35mm F4 L IS USM・マウントアダプター EF-EOS R・Fvモード・1/40秒・絞りF8・ISO2000・WB曇り・測距エリア:領域拡大AF上下左右

戸塚 学さん愛用の撮影機材はコレだ!

キヤノンEOS R3
発売 2021年11月27日
詳細はこちら

キヤノンEOS R5
発売 2020年7月30日
詳細はこちら

キヤノンEOS R6
発売 2020年8月27日
詳細はこちら

キヤノンEOS R7
発売 2022年6月23日
詳細はこちら

キヤノンEOS R
発売 2018年10月25日
詳細はこちら

キヤノンRF 800mm F11 IS STM
発売 2020年7月30日
詳細はこちら

キヤノンRF 100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
発売 2020年8月27日
詳細はこちら

キヤノンEF 500mm F4 L IS USM
発売 2016年4月28日 ※販売終了品

キヤノン エクステンダー RF1.4×
発売 2020年7月30日詳細はこちら

キヤノン エクステンダー RF2×
発売 2020年7月30日
詳細はこちら

キヤノン エクステンダーEF1.4×Ⅲ
発売 2010年12月27日 ※取扱なし

キヤノン エクステンダーEF2×Ⅲ
発売 2010年12月27日 ※取扱なし

キヤノン マウントアダプター EF-EOS R
発売 2018年10月25日詳細はこちら