カメラの大林 オンラインマガジン

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カメラの大林オンラインマガジン プロ写真家レビュー! フォトグラファー コムロミホ✕パナソニックLUMIX L10

写真・文:コムロミホ/編集:合同会社PCT

LUMIX L10は、旅に持ち出したくなるカメラ。

コムロミホ
文化服装学院でファッションを学び、ファッションの道へ。 撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志すことを決意。 アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。カメラや写真が好きな人が集まる本屋「MONO GRAPHY Camera & Art」をオープン。日本写真家協会正会員。

はじめに

今回、パナソニックLUMIX L10を持って台湾と広島県を旅してきた。カメラを選ぶとき、性能や機能ももちろん大切だが、それと同じくらい「持ち出したくなるか」も重要な要素だと思う。どれだけ高性能でも持ち歩くのが億劫になってしまえば、シャッターを切る機会は減ってしまう。

LUMIX L10は小型軽量でありながら高い表現力を備えている。そのため気軽に持ち歩くことができ、旅先で出会った風景や空気感を自分らしく表現できるカメラだと感じた。

パナソニック LUMIX L10
小型軽量ながらも大口径のライカレンズを搭載。日常的にカメラを持ち出せるサイズ感が良い。

レンズはLEICA DC VARIO-SUMMILUX 24-75mm F1.7-2.8を採用。コンパクトだが、ライカらしい描写を堪能できる。

Fnスイッチには、好きな機能を割り当てることができ、切り替えることで3つの効果を瞬時に選ぶことができる。

マクロに切り替えることで、最大3センチまで近づいて撮影することができる。

LUMIX L10のスペックを紹介

まずは簡単にスペックを紹介したい。LUMIX L10は有効約2,040万画素の4/3型裏面照射CMOSセンサーを搭載したレンズ一体型のプレミアムコンパクトカメラだ。レンズには35mm判換算24-75mm F1.7-2.8のLEICA DC VARIO-SUMMILUXを採用。広角から中望遠までをカバーしながら、ライカレンズらしい高い描写力と携帯性を両立している。

ボディサイズは約127.1×73.9×66.9mm、重量は約508g。フォーサーズセンサーと大口径ズームレンズを搭載しながらも軽快に持ち歩けるサイズ感にまとめられている。ボディカラーはブラックとシルバーの2色から選択が可能。今回使用したブラックはカメラの存在感を主張しすぎることがなく、ストリートスナップとの相性の良さを感じた。

新モードを含む多様なフォトスタイルを搭載

今回使っていて最も魅力に感じたのは、表現の幅が大きく広がったことだ。フォトスタイルには新たにL.クラシックとL.クラシックゴールドが追加。従来から搭載されていたL.クラシックネオは、柔らかなコントラストと淡い青の表現が特徴で、どこかコダックのポートラを思わせる雰囲気がある。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート
フォトスタイルはスタンダードに設定。こちらがデフォルトの設定になる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシックネオ
フォトスタイルはL.クラシックネオに設定。全体的にやわらかくなり、青のトーンを独特な色合いで表現してくれる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシック
フォトスタイルはL.クラシックに設定。3つの効果の中で最もコントラストが低くなり、全体的に淡く柔らかい印象になる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシックゴールド
フォトスタイルはL.クラシックゴールドに設定。適度なコントラストがあり、全体的に温かみがある。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシックネオ(粒状効果「弱」)
フォトスタイルはL.クラシックネオに設定し、粒状効果を「弱」

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシックネオ(粒状効果「中」)
フォトスタイルはL.クラシックネオに設定し、粒状効果を「中」

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF2.8・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:L.クラシックネオ(粒状効果「強」)
フォトスタイルはL.クラシックネオに設定し、粒状効果を「強」

新たに追加されたL.クラシックゴールドは、適度なコントラストと暖かみのある色調が特徴だ。一方のL.クラシックは、その中間に位置するような描写で、より柔らかな印象に仕上げることができる。さらに粒状効果を組み合わせることで、フィルムらしい質感を楽しめるのも魅力だ。

広島ではL.クラシックゴールドをメインに撮影した。暖かみのある色調が風情ある街並みとよく調和し、旅先で感じた空気感を自然に表現することができた。

LEICAモノクロームで撮る台湾の街並み

また、個人的にモノクロ写真を撮る機会が多いため、フォトスタイル:LEICAモノクロームが搭載されている点も非常に魅力的だ。台湾では光の陰影を意識しながらLEICAモノクロームで撮影を行った。

台湾では主にLEICAモノクロームを使用して撮影を行った。L10には5種類のモノクロームが搭載されているが、私の好みはLEICAモノクロームになる。名前の通り、ライカらしいモノクロ表現を楽しめる効果になるが、適度なコントラストと、黒のトーンが美しいモノクロ作品に仕上がる。

街灯の光が街を浮かび上がらせて、灯りの下で起きるドラマを引き立ててくれている。撮って出しで作品にできるレベルのモノクロ表現を楽しめるため、シャッターを押すのが楽しくなる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/60秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/60秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・11mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/60秒・ISO1000・−0.66EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・11mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/60秒・ISO1250・−0.66EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・11mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/60秒・ISO200・−0.66EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・11mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/640秒・ISO200・−0.66EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

下記は尾道で撮影した作品になる。台湾で撮影した設定と同じライカモノクローム+粒状を「強」の設定になる。モノクロで撮影するときは粒状を「強」に設定するのが個人的な好みだ。あえて、粒子を追加することで、フィルムで撮影したかのような表現を楽しめる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・22.7mm(35mm判換算50mm)で撮影・絞りF2.7・1/3200秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・20.6mm(35mm判換算46mm)で撮影・絞りF2.6・1/400秒・ISO100・−0.66EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・24.8mm(35mm判換算55mm)で撮影・絞りF2.8・1/2500秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:LEICAモノクローム

色彩豊かな街並みだからこそ、あえてモノクロで表現することで人々の存在感や街のドラマが際立つ。色ではなく光に目が向くことで、普段とは違った視点で街を観察できるのも面白い。

旅先で「どう撮るか」だけでなく、「どう表現するか」を考えながら撮影できることはLUMIX L10の大きな魅力だろう。

スナップ撮影に集中できる細かな設定

LUMIXの表現機能といえば、リアルタイムLUTも欠かせない。LUTをカメラ内に取り込むことで、自分好みの色表現を撮影時から反映できる機能だ。これまではG9 PRO IIやGH7といった比較的大きなサイズ感のモデルに搭載されていたが、今回小型軽量なLUMIX L10にも搭載された。

旅先で被写体を目の前にしながら、その場でイメージに合わせて絵作りを行えるのはLUMIXならではの魅力である。撮影後の現像だけに頼るのではなく、撮影する段階から作品づくりを楽しめる。

小型軽量ながらもEVFとフリーアングルモニターを搭載。個人的に便利だと感じたのはレンズ上部に配置されたFnスイッチだ。ここには好みの機能を割り当てることができる。今回はフォトスタイルを登録し、L.クラシックネオ、L.クラシック、L.クラシックゴールドを瞬時に切り替えられるように設定した。被写体に合わせてすぐに表現を変更できるため、ストリートスナップでも撮影のリズムを崩すことがない。

こちらがFnスイッチに割り当てできる機能になる。今回、私はフォトスタイルを割り当てした。

メニューのズーム機能からステップズームを選ぶことができる。そうすることで、キリの良い焦点距離での撮影が可能になる。

LEICA DC VARIO-SUMMILUXの描写力

次にレンズについて触れたい。LUMIX L10の魅力のひとつは、LEICA DC VARIO-SUMMILUXの描写力だ。開放からピント面はシャープで、背景はなめらかにボケる。そのため被写体が自然に浮かび上がり、ライカ ズミルックスらしい立体感のある描写を楽しめる。

焦点距離は35mm判換算で24-75mm。街並みを広く捉えることもできれば、少し離れた被写体を切り取ることもできる。さらにクロップズームを利用すれば最大221mm相当まで撮影でき、旅先での撮影領域はさらに広がる。

また、単焦点レンズを使うことが多い私にとって便利だったのがステップズーム機能だ。ズームレンズは便利な反面、中途半端な焦点距離になりやすく、自分の距離感を掴みにくいことがある。その点、ステップズームを設定しておけば28mm、35mm、50mm、75mmといった馴染みのある焦点距離へ瞬時に切り替えられる。「このシーンは35mmで撮りたい」「ここは50mmがちょうどいい」と感じた時に迷わず撮影へ集中できるのはありがたい。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF2.8・1/250秒・ISO100・+0.33EV補正・WBオート
24mmで撮影。広角を使用することで、広がりのある表現を楽しめる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・34mm(35mm判換算75mm)で撮影・絞りF3.5・1/200秒・ISO100・+0.33EV補正・WBオート
75mmで撮影。写る範囲が狭くなり、奥の被写体が引き寄せられる。中望遠ならではの圧縮効果を得られる。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・37mm(35mm判換算221mm)で撮影・絞りF2.8・1/320秒・ISO100・+0.33EV補正・WBオート
クロップズームを使用し、221mmで撮影を行った。画像サイズはXSにはなるが、さまざまな焦点距離での撮影を楽しめる。

作例写真に見る、LUMIX L10の使いこなし

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/2000秒・ISO100・+0.66EV補正・WBオート
マクロに切り替えて、被写体にぐっと近づいて撮影を行った。桜のように小さな花も画面いっぱいに捉えることができた。

下記の写真は、フォトスタイルをクラシックゴールドに設定し、粒状効果を「中」にして撮影を行っている。全体的に温かみのある雰囲気になり、長閑な雰囲気がどことなくノスタルジックな印象に仕上がった。フィルムを入れ替えるように、L.クラシックシリーズの3タイプから被写体にあった色味を選べるのがおもしろい。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF4.0・1/2000秒・ISO100・WBオート・フォトスタイル:クラシックゴールド(粒状効果「中」)

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・28.6mm(35mm判換算63mm)で撮影・絞りF2.8・1/1600秒・ISO100・+0.66 EV補正・WBオート・フォトスタイル:クラシックゴールド(粒状効果「中」)

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF4.0・1/1600秒・ISO100・WBオート・フォトスタイル:クラシックゴールド(粒状効果「中」)

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF4.0・1/1600秒・ISO100・WBオート・フォトスタイル:クラシックゴールド(粒状効果「中」)

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・16.3mm(35mm判換算36mm)で撮影・絞りF2.3・1/4000秒・ISO100・−1.0EV補正・WBオート・フォトスタイル:クラシックゴールド(粒状効果「中」)

下記の写真は、フォトスタイルをクラシックネオに設定し、粒状効果を「中」にして撮影を行っている。上記の写真とは異なり、やや青みが増して、フィルムライクな作品に仕上がっている。粒状は3段階で強弱を選ぶことができるが、L.クラシックシリーズの3タイプを使用するときは「中」を選んだ撮影するのが好みだ。

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/10000秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:クラシックネオ(粒状効果「中」)

【撮影データ】パナソニック LUMIX L10・10.9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF1.7・1/2500秒・ISO100・−0.33EV補正・WBオート・フォトスタイル:クラシックネオ(粒状効果「中」)

まとめ

L10には、まだまだ多くの魅力があるが、スペックや機能の紹介だけではなく、実際に旅へ持ち出したからこそ感じられた魅力を中心にお伝えしてきた。旅先では、思いがけない瞬間に出会うことがある。その一瞬を逃さず、自分が感じた空気や感情を写真として表現できるのがLUMIX L10の面白さだ。

気軽に持ち歩けるサイズでありながら、さまさまな表現が搭載されており、旅先で写真を撮る楽しさを改めて思い出させてくれる一台だった。

今回のカメラ・レンズ

パナソニックLUMIX L10
◉発売=2026年6月18日発売 ◉価格=オープンプライス(実売239,100円税込)